なむ

Charlotteのなむのネタバレレビュー・内容・結末

Charlotte(2015年製作のアニメ)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

主人公の乙坂が視聴者の間でコードギアスのルルーシュとよく比べられる理由、能力が似ているのもあるけど、キャラストーリーをパクっているからだと気付いて萎えた。さすがに感動できないってこれ。
妹を失ったことで自暴自棄になり、喧嘩を売ってきたチンピラを返り討ちにして、そいつらが持っていた麻薬を使おうとする…この流れ…完全にやってますね…
キレていいぞ大河内

ヒロインの友利は一般的なツンデレとは一線を画す事務的な態度の裏に、優しさと少女性が垣間見えるという独自の魅力はあった。
しかし、終盤は雑に殴り倒されて人質にされたり、最終目標のトロフィーガールにされたり、キャラクター性を発揮する機会に恵まれない。完全に脚本の小道具扱いである。ヒロインとは?
とくに最終話の主人公と再会する場面では、完全にキャラ崩壊していて、「味」すらなくなってしまった。南無

序盤の見どころだった生徒会メンバーである高城と西森姉妹も途中退場してしまう。とくに高城は作中キャラからも脚本からも雑な扱い受け続けていて、主人公の唯一無二の親友というおいしいポジションなのに、イマイチストーリーの肉付けを得られなかった
とくにタイムリープ関連の話が始まってからは、完全に空気だった。スケールを広げて興味を引くのは見事だが、それによって既存キャラの扱いに難儀するあたり、行き当たりばったり感が目立つ

ほかにも盲目になった有名歌手、主人公の兄への嫉妬心(恋敵の意味も含む)、意味ありげにデザインされた中国マフィアの能力者など、掘り下げれば面白くなったであろう要素をふんだんに散りばめつつ、盛大になにも始まらない、まさに行き当たりばったりな要素満載である
本作を端的に評するならば、各要素は魅力的なのに相性を考慮した取捨選択ができていない惜しい作品、といったところか

そんな無軌道な脚本も形ながらの幕引きはできている。主題歌の歌詞にある「たとえ化け物になっても」のくだりを回収しつつ、友利への想いだけで必死に自我を繋ぎ止めながら過酷な使命に立ち向かう様は、しっかりと感動を呼ぶ

破綻気味なシナリオでも、当時は割と支持層が厚かった理由がわからなくもない。キャラは魅力的だし、要所要所感動できるところはあるし、間違いなく先が気になる展開にはなっている

はっきり言って失敗作ではある。でも不思議と嫌いにはなれない。オススメはしないが貶すほどの作品ではない。同脚本家が手がけた他作品が好きな人なら許容範囲内で楽しめると思う
なむ

なむ