真田ピロシキ

ワンパンマン 第2期の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

ワンパンマン 第2期(2019年製作のアニメ)
3.6
サイタマさんが最強なのが絶対のルールである以上、ジャンプ漫画お約束の戦闘力至上主義に陥る事なく様々な強さやヒーローとしてのあり方を描かれていて面白い。1期でそれを体現していたのは無免ライダーであったが、今期では初登場時ではヒーローのろくでもなさを見せつけていたA級ヒーロースネックが担っていて、彼自身が普通に考えて相当な強者であるはずなのにA級最下位が定位置で半ば心が折れており、自信を取り戻すために臨んだ武術大会では達人だが何の信念もない一般人のスイリューに一撃で倒される始末。それでも会場に乱入してきたスイリューですら恐怖して立ち向かえなかった怪人に、スイリューより弱い事を自覚しながらも挑むスネックとイナズマックス。その矜持こそヒーローの強さ。スネックは何かとA級最下位をイジられるがドラゴンボールのヤムチャの扱いなんかと違ってネタとして消費するだけでは終わらせないのが良い話だ。そして全てを救うサイタマ先生が最高なのだ。絶対的な力を持っていながら驕らない自然体なサイタマさんの器の大きさよ。ラッキーなのかアンラッキーなのか分からないS級ヒーローキングや体格以外の全てで姉に負けて拗らせているフブキなどを引き寄せるサイタマさんはジェノスのみならず皆の先生なのです。本作のメインの敵であるガロウとはまだお互いを認識すらしてないままで終わったのは残念。原作は読んでないけどアニメ化早すぎたんじゃない?

とは言えガロウの話はガロウで面白く、怪人ではなく人間なのでS級の攻撃をまともに食らったらたまったもんじゃなくてガロウサイドに緊張感があるし、A級以下のヒーローでも組めばなかなか食い下がれてて特にスティンガーがいた8人組との戦闘は色々なタイプによるシナジーを見られるヒーローアクションの醍醐味で、スネックと並ぶ本作におけるA級の見せ場。A級は決して雑魚じゃない。アクションで言えば最終話でのムカデ長老の巨大な体に乗って戦うジェノスの姿も人型ばかりではなく巨大な怪人も相手にする本作の世界観が生きてて面白かった。

それでこれは2019年とありますが3期はいつなのでしょう。相変わらずS級の中でも規格外さを見せるタツマキのマジやそれ以上らしいブラストを拝みたいものです。サイタマさんが最強なのは全く揺るがないだろうけど。