ぼっちザうぉっちゃー

たまゆら〜もあぐれっしぶ〜のぼっちザうぉっちゃーのレビュー・感想・評価

たまゆら〜もあぐれっしぶ〜(2013年製作のアニメ)
3.8
二年生になったぽって達。
写真部を作って卒業アルバム制作に乗り出したり、父が企画したツアーを辿ったりすることによってまたさらに素敵な人たちと巡り会う。
新キャラcv茅野愛衣が三年ですぐ卒業してしまうのは惜しいけれど、先輩の卒業というものを通してぽってたち自身も残りの時間や、歩んできた足跡を意識するに至り、二度目の「私たち展」で確かに一年積み上げてきたものをしみじみ実感することが出来た。

二つの故郷にルーツを持つぽって。それぞれの場所に思い出や約束が息づいている。
あれだけ大きかった父のカメラもいつの間にか手に収まるようになった。父の故郷で父の友人と交流することを通して、高校生の頃の父と今の自分を重ねたり。(毎期父絡み回と最終回でしっかり泣かせてくるのやめてください。)

後半はやや駆け足になったが、今作でもひととせを描き切り、懐かしい秘密基地や新しい風景など、四角く切り取られた宝物がまた増えていく。瀬戸内海の、ただ蒼茫なのとはまた違う細かい島々が点在する景色は独特で、不思議な心映えを覚えた。
母が駆るバイクで連れられ見た景色は、両親の思い出の場所。それはフィルター越しではなく、その目で捉えて魂に刻み込む。父母への感謝と、少しの誇らしい気持ちと一緒に。

写真の中の思い出は変わらないけれど、色んなものが少しづつ変わっていく。ぐいぐいとあぐれっしぶに活動し、心の種と繋がりの土壌を育んできたこの二年、それは卒業の年どんな花を咲かせるのだろう。