センカン

翠星のガルガンティアのセンカンのレビュー・感想・評価

翠星のガルガンティア(2013年製作のアニメ)
4.1
くたばれブリキ野郎

「遥かな未来、宇宙を舞台に未知の生命体と闘うロボットアニメ」×「衰退した地球文明で移動海上都市で生きる人々」
SFの真逆の美味しい食材を混ぜ合わせた異色な作品。どちらの要素も奥深く設定を作り込まれてて、引き込まれる世界観。
反面、もっと深掘りして観てみたい、海上都市の文化を知り尽くしたい、という欲求が湧くのに1クールという短さ…

この後OVA作品が続くのである程度補完はされてますが、長い尺でこそだせる日常の風景とかあるので2クール以上は初出で欲しかった!、近年のアニメの短編化の弊害ですな…

気を取り直して、世界観も素晴らしいですが、他のクオリティも非常に高い、
作画で言えば序盤の宇宙戦、海上都市の表現、海洋生物、美しい描写ばかり。
音楽で言えばOPの「この世界を僕らは待っていた」、茅原実里の力の篭った高音ボイスで、この夢のある世界に引き摺り込んでいく感じが堪らない。ED「空とキミのメッセージ」は夜の海上でゆったりと飛ぶチェインバーと、揺らめくヨットの帆が、レドとエイミーの初々しいカップルの雰囲気を音楽と共に醸し出してて、観ててほんわかします。

もう一つ挙げるならやはり声優の部分。道場まだ新人だった石川界人の少し固い演技が新しい世界に戸惑うレドの雰囲気には合っててGOOD。ひーちゃんのエイミーはひたすら可愛いですありがとうございます。普段可愛い声を癖のあるキャラに付けてる印象が強いのでド直球のヒロインは珍しいかも?、そしてなんと言ってもAIチェインバーの杉田智和、放送開始時は新人石川君を支える堅実な中堅声優としての採用と思ってましたが、レドと共に成長し、無機質な声の中に確かな力強さを込めていく演技は、杉田さんだからこそ出来る技量だと感じました。最終話ひたすらカッコいい…

あっという間に長文感想になってしまった。1クールの短さで軽く観れる重厚なSFアニメなので、オススメです。

点数内訳
世界観:5
ストーリー:3.5
キャラ:4
音:4
映像:4
スコア:4.1
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