超能力をもち、何かの感情が100％に達するとさらに超人的な戦闘能力を発揮する、普段は地味でコミュニケーションが苦手な中学２年生の「モブ」こと影山茂夫が巻き起こす異能バトルコメディ作品。
作風は「GS美神 極楽大作戦」に近いかもしれない。久しぶりに面白いと思える純粋なギャグ作品に出会えた気がした。
第１期は、モブたちと行動をともにする悪霊エクボにまつわる「(笑)編」、超能力者であるテルこと花沢輝気が裏番をはる黒酢中学校との抗争の「番長編」、モブの弟・律が覚醒する「律編」、超能力者にのテロ組織「爪」第七支部との死闘の「爪 第7支部編」からなる。原作（未読）ではそこそこのボリュームであろうストーリーが、「ヴィンランド・サガ」「進撃の巨人ファイナルシーズン」「BANANA FISH」「平穏世代の韋駄天達」を手掛けたの瀬古浩司氏のシリーズ構成だけあって、テンポよく展開。
物語で狂言回しとなるのが、モブをもっともらしい言葉で言いくるめて、モブに「師匠」と呼ばせ、安いギャラでモブの超能力で除霊させて金をもうけるインチキ霊能力者・霊幻新隆である。要所要所で現れ、彼の言葉はインチキ、ハッタリだということは分かるものの、名言らしき言葉で視聴者を納得させてしまう説得力が凄まじい。
声優は今どき珍しく、細谷佳正さんや松岡禎丞さんも例外ではなくモブキャラでも使いまわしているので、全体的に重厚な演技。テル役の松岡禎丞さんとともに演技の屋台骨となっているのが、霊幻新隆役の櫻井孝宏さんと律役の入野自由さんのおそ松さん声優のお二人とエクボ役の大塚明夫さん。特に櫻井孝宏さんはイケボ役以上に悪役と胡散臭い男を演じさせたら右に出るものはいないんじゃないかと思う。
