平田一

モブサイコ100の平田一のレビュー・感想・評価

モブサイコ100(2016年製作のアニメ)
4.3
“青春はバクハツ?”

「ワンパンマン」で知られているONEさん原作同名漫画を、「僕のヒーローアカデミア」のBONESさんでアニメ化。超能力者の中学生がオカルト依頼の補助をしたり、謎の超能力集団と激しいバトルを繰り広げる。監督は「デス・パレード」の立川譲さん。シリーズ構成は「チェンソーマン」の瀬古浩司さん。

モブこと影山茂夫は、超能力者の中学2年。師匠の霊幻新隆のもとで除霊のバイトを続けながら、超能力に頼ることない日常を目指してた。肉体改造部の入部、自分と同じ超能力者と出会う中で、謎の組織がモブたちへと迫って来る―――。

絵柄が正直好みでなくて、最初はやたらとオススメしてくる弟が面倒でした(ジョジョの時も同様でした)w 畜生と言いたいぐらい、悔しいぐらいに良かったです! アイツホント量より質を地で行く人間過ぎんでしょw

雑談はここまでで、作品のお話に。

どこから魅力を語ればいいかという考えすら稚拙なぐらい、本編12話そのものが魅力的だというしかない。日常を大事にしたいモブの理由と抱える不安、憎めぬうえに人間として完成されてる霊幻師匠。回を増すたび貴重な笑いを運んでくれるエクボとか、天狗な超能力者・テル、コンプレックス抱える律とキャラクターも愛らしい。特にもう霊幻師匠が美味しいうえに超好きです! 基本的には詐欺師なのに、モブを決して悪の道には誘わない先輩で、いざってときに大物感を炸裂させる度胸といい、ネタキャラできて、カッコいい大人も出来て、ズルいよなw また演じる櫻井さんがこれまで演じたキャラクターの集大成といえるような、この人にしか演じられないキャラクターで流石すぎ。霊幻新隆1000%モードが特にヤバすぎる!

超能力が題材だから、その手の描写もどうなってるか見たら、文句なしだった。『キャリー』『ドクター・ストレンジ』の何十倍は到達している破壊描写とサイキックバトルは最高・興奮ですし、終盤へ進むにつれて加速するから尚更イイ! 個人的にオススメは“???%”のモブが目覚めた第5話です。これまで一度も負けたことなどなかった超能力者・テル。しかし彼の焦燥感が開けてはならないものを開け、モブの内部の制御できないモードを発動させてしまう。瞬時に周囲のあらゆるものを天上へと浮かせてしまい、モブもテルも勝者になれず、ただ敗北のみだった。この回を初めて見たとき、結構ビビっちゃいました。作画もですが川井憲次さんの手掛けたBGM、伊藤さんと松岡さんのお芝居のお陰もあって、カタルシスと恐怖心がまとめてこっちに来ましたね。そこからの「完敗だ」って清々しく認めるテルくんの表情も好きですし、5話と12話推しですね✨

ホントにね、食わず嫌いで判断するのは早計だって、ジョジョに続いて改めて教えられた作品です。いい意味で美麗でないのを魅力に昇華させてたり、アニメの言語はまだまだ奥が深いと学べた傑作でした! しかもどうやら「Ⅲ」の方はどえらいことになってるらしい……?
平田一

平田一