このレビューはネタバレを含みます
意外に純粋な殴り合いが少なかった今期作品群で、随一のドッカンバトルを見せてくれた。
質の高いバトルアニメは数あれど、ここまでアクションを贅沢にたっぷり見せてくれる作品はそうない。ただひたすらボンズの圧倒的に超絶怒涛な「画面力」に屈服させられる。
それがたまらなく快感。眼福。ボンズ作画からしか得られない栄養は、確かにある。
そしてモブサイコならではの電波感とスタイリッシュさ感じるロックなOPもカッコイイし、個人的には、それなりにシリアスが強めだった今期において明らかに浮いてる、妖怪ハンター回と未知との遭遇回も好きだったりする。特に先輩との思い出を作ろうとする後者のエピソードは、ロマンティックでオカルティックで素敵だった。
そういったギャグとシリアスの塩梅がやはり完璧で、その移行も非常に絶妙。これまで二期積み上げてきた関係値がある分、感情の入り込みも申し分なかった。
モブを「茂夫」と呼ぶエクボ。臆せず、シャツを「ダサい」と言ってくれたエクボ。その存在の重要性も再認識した。
そしてモブ「一人の戦い」が印象的であると同時に、相手の意図や真意はともかくひたすら純朴に受け止めて、相手との対話、そして自律・自立を図ってきたこれまでと、そうして接してきた周囲の人間たち、その全てが、自分の暴走による最悪の結果を防ぐための助けとなっているのが感慨深かった。
一話から導入されるモブの進路、未来というテーマはラスト、封印した過去と対決する形で描かれ、
そして自称霊能力者・霊幻新隆の「嘘」から始まった物語は、その「告白」とともに幕を下した。
間違っていい、変わってていい、悩んでもいい。それは特別なことじゃない。そのままでいい。
その痛みも、苦しみも、手放しちゃいけない自分のものだ。
走って体力をつけることによってでも、筋トレで筋肉をつけることによってでも、当たって砕けることによってでも、本当の自分を曝け出すことによってでも、人は変われる。人と人は変われる。
そうして月日は流れ、暦が違う自分を受け入れる。
誕生日 おめでとう。
