キャプまる

天晴爛漫!のキャプまるのレビュー・感想・評価

天晴爛漫!(2020年製作のアニメ)
3.1
1週間でアニメ1作品チャレンジ4作目だったが、2週間かかってしまった。まあ最後まで見ただけ良しとする。
全体的にありきたりで都合の良いストーリー。まあ優しい世界での大団円を楽しむのが正解なのだろう。

アメリカ大陸横断レースが題材とはなっているがそれは主題ではなく、絡繰一筋で他人のことなど考えていない天晴と日本の世間一般の常識に囚われている小雨がアメリカという新天地にたどり着いてしまい、そこで価値観の変動や成長を描いている作品。
最初の船に拾ってもらって以降は言葉で苦労する描写がないのは、1クールでアメリカ大陸を横断する都合上良かったと思うがそのレースに行くまで半分近く話数を割いたのはなぜなのか。もっとテンポよくキャラ紹介してさっさとレースに行って欲しかった。

サウザンドスリーの設定は良かったがアウトローのはずなのに全然アウトローしてなくて笑った。
アウトローしてたのはギルだけだが、ギルのあの「ギアを上げる」関連の台詞はダサすぎて笑ってしまう。
イキリまくってたのも小物臭くて笑ってしまうし、ギルがラスボスとしての風格がなさすぎるのでどんな場面でもコメディ色を感じてしまう。
あえてそういう軽い雰囲気にしているのか、それにしては小雨やホトトの過去が重めなのはどうなのか?いっそコメディに振り切ったら良かったもののなぜか中途半端にシリアスも混じっていて。それでいて緊張感も生まれていないので何がやりたいのかわからない。

結局人付き合いというか仲間は大事だよというテーマぐらいしか感じれなかった。力を誇示するギルに対しての技術や法という返しは良かったが、そもそもこのアニメでこれをやる必要はあるのか?やるなら最後にちょこっと出すのではなくもっと前もってやったら良かったのにという疑問しか湧いてこなかった。サウザンドスリーの設定が先行して展開が引っ張られている印象。制作陣も途中から何をやっているのかわからなくなったんじゃないかと思うぐらい。

あくまで個人的にだがもっとレースに関するアツイ展開が見たかった。レースでアツかったのは最後の最後だけで、しかも途中経過がこんななのでそんなに盛り上がらないという残念さ。
戦闘シーンの作画や演出に迫力があるわけでもなかったので無理に戦闘をしなくてもレースをもっとメインにしても良かったと思う。

特に感情を揺さぶられる場面もなく至ってフラットな状態で見てしまえる。

同じアメリカ大陸横断をテーマにした漫画『スティールボールラン』の前半のようなものを求めて鑑賞したが、一瞬たりともかすりもしない全然違う方向性の作品。
レースでもなくアクションでもないなんかゆるいアニメという印象しか残らなかった。
ただ、メインキャラクターで嫌いになるような不快なキャラは一切おらず(飛び抜けて魅力的なキャラもいないが)、何も考えずに安心して見ることができるのでそこだけは評価したい。
あとOPの最初と最後のリズムが耳に残るのも良い。
キャプまる

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