私のAVVENIRE

イエスタデイをうたっての私のAVVENIREのレビュー・感想・評価

イエスタデイをうたって(2020年製作のアニメ)
4.0
近年では極めて珍しい邦画のような恋愛ドラマアニメ。冬目景氏による原作漫画「イエスタデイをうたって」の雰囲気を見事にアニメ化してくれたと思う。1クールアニメとしては傑作の部類。
大人びた雰囲気に劇伴、煙草を吸う等の繊細で細やかな日常芝居、全てが丁寧。
ただ1クールという尺の問題で、実質主人公でもある榀子の描写が原作より雑になってしまった感は否めない。また少しでも尺を取りたい監督の意向でOPを削った反動か、EDが3つも乱立してしまったのも残念(恐らく大人の事情)。
それでも非常に丁寧な作りであることに変わりはない。またリクオのモノローグを排除することで、より「アニメーションでの心情描写」にこだわった点も素晴らしい。これによって最後までリクオの本当の気持ちを視聴者が思い巡らす楽しみが生まれた(わかり易さを求める典型的ラノベ嗜好の視聴者にとってはストレスにしかならなかったかもしれないが…)

「嘘つきは何も手に入らない」
このハルの言葉こそ、自分に嘘をついていた陸生と榀子の全て。好きの形も色々、生き方も色々。その中で悩みつつも、49%後ろ向きで51%前向きな彼らの姿は眩しかった。
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