シュローダー

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完のシュローダーのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

シリーズ完結篇としてこれ以上ない大団円。キャラクターの成長をこんなにも素晴らしく思えるアニメは昨今とても貴重である事は、強く主張していきたい。アニメではあしかけ7年。遂に俺ガイルが完結した。1話から3話まではいつもの奉仕部のやり取りが垣間見え、最強妹小町ちゃんに泣かされ、懐かしさと安心感に浸っていた。しかし、プロム運営が始まった瞬間、この作品は牙を剥いてくる。ラブコメというジャンルに必ず存在してしまうのは「負けヒロイン」という概念だ。この作品の中では、由比ヶ浜結衣という少女がそれに該当する。彼女は負けることを自覚しているのに、それでも運命に抗い続け、募らせる決して報われない純情な片想いが、比企谷八幡という拗らせ男が「誰かのために行動したい」と願うまでの確かな成長を、雪ノ下雪乃という対人関係に於いて不器用が過ぎる少女の哀しみを、嫌というほど際立たせるのだ。「負けるからこそキャラが美味しくなる」これこそが負けヒロインを描く上で最も大事なエッセンスである。これが出来ていないラブコメが如何に多い事か。とにかく1期から観ているファンにしてみれば、八幡たちの成長ぶりに、平塚先生の視点のような親心すら感じてしまう。1期は「自分」2期は「他者」と闘い、それを変えてきた比企谷八幡が最後に相対するのは大人という名の「社会」親という「権威」この飛躍が非常に鮮やか。そしてそれは、その呪いに取り込まれた雪ノ下雪乃を助ける為の闘い。まさに「ロミオとジュリエット」を地でいく王道ラブコメぶりに、毎話泣いている俺がいた。そして、11話と12話。真反対の席同士に座り、皮肉の応酬で会話をしていた八幡と雪乃が、正面切って想いを「告白」し、隣の席に座るまでになる。12話前半のデート場面とかこっちが死にたくなるくらいのイチャイチャぶりであったが、拗らせ人間の屁理屈から始まった物語が、そんな"本物"の「青春ラブコメ」に辿り着いて終わるというこの完結篇が、愛おしくて堪らない。最高の作品でした。リア充爆発しろ!