オタク文化に対する世間の偏見に、「何が悪い!おーっ!」と高らかに拳を突き上げた秀作。
読者モデルとしても人気のある妹桐乃の隠れた趣味はアニメ、コミック、エロゲーだった。これが親にバレそうになった危機を兄京介がかばったことから、深夜の人生相談が始まる。そして京介はこれまで知ることもなかったディープな世界へ。
2000年代末期の偏った趣味嗜好の人々を面白おかしく描いた話だと思われるかもしれない。だけど、この作品には意外と普遍的な青春ドラマの要素が散りばめられていて、オタ道一直線のキャラクターたちを微笑ましく眺めながらも、ラブコメ、横恋慕、幼馴染の立ち位置、そしてなりより兄妹の素直になれないビミョーな関係に、僕らはドキドキ、ハラハラさせられる。そして、好きなことを好きと言えること、そして理解者が存在することが、どんなに素敵なことなのかを教えてくれるのだ。
桐乃の書いたラノベをアニメ化する企画会議を描いた第8話が印象深い。原作を都合のいいようにグチャグチャにしようとするアニメ会社スタッフに、兄京介と黒猫が立ち向かうクライマックス。愛だよ、愛。黒猫が「桐乃が羨ましい」と目を潤ませるラスト、キュンキュンきますっ♡
えーと、僕の推しは、あやせ(早見沙織)です。ClarisのOP曲もお気に入り。