平田一

ブギーポップは笑わないの平田一のレビュー・感想・評価

ブギーポップは笑わない(2019年製作のアニメ)
3.4
“ぼくは自動的なんだよ。名を不気味な泡という――。”


上遠野浩平さん原作のライトノベルシリーズを、旧アニメに引き続いてマッドハウスさんでアニメ化。世界の敵の前に必ず現れる“ブギーポップ”と彼女と関わる高校生たちの物語が綴られる。監督は「スペース☆ダンディ」の夏目真悟さん。

自らを自動式人形と呼んでいるブギーポップ、その人格を宿してる女子高生・宮下藤花。物語は二人を軸に、時には別の誰かを軸に、バラバラのパズルのように語られていく群像劇――。

旧シリーズの感想はそちらを読んでもらうとして、こちらの方はそれに比べて、しっかり理屈が通ってました。そもそも原作がしっかりとした組み立て方かもしれませんが、旧作よりもそこが非常に際立っていた印象です。

とはいえ話は中身によっては賛否が結構激しくて、場合によっては不快感しか抱けぬ回もありました。顕著なのは下品な言動、他人を駒としてしか見ないスプーキーEが出てくる「VSイマジネーター」編。そいつもだけど織機騎って女の子も同類。露悪で露骨で記号的で、見ててゲンナリしましたね(このあたりは旧アニメもだいぶやらかしたちゃったしね)。

牛尾憲輔さんが手掛けたサントラは一級ですし、ハッキリ言ってそのためだけに見る分ならいいと思う。でもどうもブギーポップとは相性が悪いっぽい。好き嫌いのハッキリ分かれるシリーズなんだろうな、これは……。
平田一

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