竹青荘に住む全く異なる背景を持つ9人の学生が一人の学生の熱情に突き動かされて、約1年後に控える箱根駅伝を目指すという話。
私自身、中学時代に駅伝のメンバーとして毎日せっせと練習していたことがありまして、その経験を今更ながら振り返ってみても、やはり駅伝というのは特殊なスポーツでもあります。
団体競技であるのにもかかわらずチームプレイというのは皆無に等しく、更にほとんどの時間は一人での孤独な戦いであります。
しかしながら練習は他のどのスポーツよりもチームメイトと共に励むという摩訶不思議な側面も併せ持っています。
だが、一人での戦いが続く駅伝というスポーツは、野球でもサッカーでも他のどの団体スポーツでもそうなのですが、(バトンを)"繋ぐ"スポーツでもあり、そこが本作でもフォーカスを当てられています。
走るとはどのようなことなんだろう?
競技として走る上での「強さ」とはなんなんだろう?
走った先には何が待っているのだろう?
葛藤と摩擦を繰り返しながらも戦い続けた9人の青年が辿り着いた先は...
青春のみずみずしさ、青々しさに塗れながらも、どことなく澄み切った空気感が漂う良作です。
夜中だけど早朝のような、世界の始まりを思わせる爽快さが作中を支配しています。
この作品を見た後だと一も二もなく駆け出したくなる。。。