てつこてつ

Sweet Home -俺と世界の絶望-のてつこてつのレビュー・感想・評価

Sweet Home -俺と世界の絶望-(2020年製作のドラマ)
4.0
Netflixオリジナルの韓国連続ドラマ。
ディストピアな世界観だが、自分が例えるならば、主人公たちが移動しない「ウォーキング・デッド」「バイオハザード」と言った感じ。

ソウルに建つ古ぼけたアパートを舞台に、突如、人間たちが異形のクリーチャーに変身する状況でアパートの建物に立てこもり生き残ろうとする住民たちを描いたサバイバルホラーアクション。

そう、自分のようにある程度ホラー映画を見ている人間ならグロいとまでは思わないが、しっかりと流血シーンはバンバンと展開されるので、その手の描写が苦手な方にはお勧めできない。

クリーチャーたちの描写が「サイレント・ヒル」並みに非常に斬新で、VFXがチープでないのが凄い。さすがのNetflix、映画作品並みに製作費がかけられているのが十分に伝わり見応え大。古ぼけたアパートの部屋、ロビー、エレベーターといった美術セットも非常にリアル。終盤の主人公の高校生の変身シーンは溜めに溜めた甲斐があってかド迫力!

クリーチャーに襲われて嚙まれたり引っ掻かれても感染しないという設定、この作品の主人公のようにクリーチャーとなっても人間を襲わないケースもあるという点は斬新だが、'欲望'が引き金となってクリーチャー化するという設定は、とても曖昧だし、襲われたキャラクターが簡単に逃げ出せたり、絶対死なない筈のクリーチャーを殺害できたりと突っ込みどころも多いのが残念。

キャスト陣では、主演のソン・ガンという山崎賢人を彷彿させる若い俳優は初めて見たし、基本、ドラマを中心に活躍している役者さんが揃っているが、韓国映画界の名脇役キム・サンホ、「箪笥」の父親役キム・ガプスの出演は嬉しい。また、「怪しい彼女」「ビューティー・インサイド」といった傑作映画の出演はあるものの、どちらかと言えばドラマをメインの活躍の場としている正統派二枚目俳優のイ・ジヌクがこれほどワイルドな風貌の役どころを演じていてバッチリ決まっているのに驚いた。

若い女優陣も美しく演技は丁寧。他のアパートの住民たちを演じた役者さんたちも良い味が出ていてチームワークは抜群。

中盤、若干話がダレるのが残念。さすがに毎エピソードに金がかかるクリーチャーを登場させるのには無理があったか・・

これは大きな謎を残すエンディングとなっているので、絶対に第2シーズンが製作されることを大いに期待している。
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