なっこ

明日の君がもっと好きのなっこのレビュー・感想・評価

明日の君がもっと好き(2018年製作のドラマ)
3.3
「気になる」人がいて、その「気になる」が 「好き」なのだと気が付いて、その「好き」が「一緒に居たい」なのだと分かったのなら、
自分が“何者”なのか、よりも自分が相手のために“出来ることは何”なのかを問うべきなのだろう。

誰が愛する人はひとりきりだと決めたの?
「好き」にはグラデーションがあって、どの「好き」にも誰にも奪えない真実があるものなのに。
愛なんていろいろ、いろいろあるのが愛なんだよ。

両親を事故で失い祖父母に育てられた茜。実父と暮らせなくなって職場に居候の身の亮。虐待された上、母親の自殺という形で死別した遥飛。シングルファザーとなった親娘。家族の形態はこれほど複雑化しているのに、まだ夫婦に子ども、という核家族を幸せな家庭の基本の形としようとすることに無理がある。
「家族」や「友人」と呼ぶ大切な人の範囲をもっと広げてもいいんじゃないかな。愛はもっと自由で広いはず。

「明日の君がもっと好き」なんて爽やかなタイトルとは裏腹に、予想の斜め上を行く展開、と言われるほどに全ての登場人物たちの「好き」のベクトルが絡み合う。

タイトルに値する希望あるラストを迎えることが出来るのか、最後まで見逃せない。
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