きみどり

ザ・サーペントのきみどりのレビュー・感想・評価

ザ・サーペント(2021年製作のドラマ)
4.0
『預言者』でいきなり世に出たタハール・ラヒム、そういや最近どうしてる?と思ってたら、Netflixでこんなおっかない犯罪ドラマに出てました。

「台詞はぜーんぶフィクションですからね!」と念押ししてあるものの、こんな事件が実際にあったんか…知らなんだ。ヒィィ。

ときは1970年代、ヒッピートレイルという東南アジアの旅行ルートを、欧米のモラトリアムっ子たちが群れなして旅していた。そんな彼らを次々と毒牙にかけた、詐欺師であり連続殺人鬼のお話。

そもそもアジアを第三世界だと見下し、安易なセックスや薬を求める白人の若者たちの傲慢さや脇の甘さは否めず。
そこへヨーロッパ社会に煮湯を飲まされて育った犯人のルサンチマンが向けられたら…。

8エピソードをビンジウォッチできる勢いもさることながら、四面楚歌の中で犯人を追い詰めたオランダ人の下級外交官夫妻の様子が、すごく良く描かれていたと思う。
とくに妻のサポートが素晴らしく、「この女性すごい優秀な人では?」と思ってたら、エンドクレジットの「登場人物のその後紹介」で、国連の上級職員まで出世したと出てきて、めちゃくちゃ納得したのでありました。

しかし何より感心したのは、在タイ大使館の上司が「捜査をやめなきゃ国に返すよ。寒いぞーオランダ。寒いぞー」という脅しをかけて、それに危うく屈服しそうになる場面でした。
オランダ、そんなに寒いんか…。
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