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コントが始まるのレクのレビュー・感想・評価

コントが始まる(2021年製作のドラマ)
4.2
1話
売れないコント芸人の三人とワケあり姉妹の人生の交錯、これは夢追い人を応援する群像劇だ。
めちゃくちゃ面白いじゃないか!
どこか淡白でそれでいて熱を感じ、柔らかなのに所々尖ってて、厳しい中に優しさがあって。
何より笑いと涙を体現する仲野太賀がやべえんだわ。

2話
芳根京子にあんなこと言わせるなんて仲野太賀が羨ましすぎるんですが!?
からのなんだこの展開は…不器用で素直じゃない彼らがぶつかり合いながらも相手のことを信頼しているのが分かる。
本音と秘密、過去と今、コントと現実、相関関係が誘う笑いと涙に大満足だった。

3話
一流企業を退職した姉と妹。
コント「奇跡の水」の基となった兄弟の関係。
接点がない兄弟と姉妹が根底で繋がっているのは孤独という強さ。
信頼してた人に騙されたり裏切られたり、その時に手を差し伸べてくれる人の存在の大きさ。
有村架純の独白に見入ってしまった。

4話
背中を押してほしい想いで相談した先生の言葉の重み、それを受けた二人の表情ですべてを物語る双方の気持ち。
悩みを相談できて背中を押してくれる友人、コント「捨て猫」に繋がる母子の関係。
これまでの辛さとこれからの苦しみ、そこに沁み入る優しさにぐっと来た。

5話
続けるも地獄、辞めるも地獄。
続けるのが怖いのか、辞めるのが怖いのか。
個々の想いとマクベスとして出した答え。
夢を語り合える時間と現実に向き合って話し合わなければならない時間の対比が辛すぎる…。
努力は必ず報われるとは限らないが、積み重ねてきた経験は人生の糧になると思う。

6話
マクベス解散の決意が潤平と奈津美の未来への決意を固める。
夢を追い続けてきた者が夢を諦めること、それは決してネガティブではないと改めて伝えることで先に進む勇気を与えてくれる。
変わらないことの強みと変える決断に胸が熱くなった。
みんな幸せになってほしい。


7話
終わりは何かの始まりを…人生が動き出す音が聞こえる。
変化に不安を抱きながら前に進もうとする勇気や決意。
彼ら三人の置かれた状況、無人島という共同生活から脱出した先には何が待っているのだろう?
忘れられないサプライズ…あの橋は人と人とを繋ぐ架け橋なのか。

8話
他人から与えられたきっかけを大切にすることで人生は変わる。
迷っている時に、迷っている時にこそ、見守り、助言してくれる身近な存在の有り難み。
それぞれの家族が家族を救う物語。
メタ的に構成された解散ライブのネタ順を見た時、マクベスが最高の形で終わることを僕も願っていた。

9話
敗者なんていない、負知らずの大三元ってか。
潤平と瞬太の今があるのは春斗という存在があったからで、「敗者なんていない=勝者」はそんな春斗へ向けられた言葉なのかもしれない。
1クール10時間のドラマを観ているだけなのに、マクベスの10年間を見てきたような錯覚に陥る。

10話
ファンとして素晴らしい対応を見せた里穂子の独白を聞くだけで、マクベスとしての10年が決して無駄ではなかったと思える。
人生はクロースアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見ると喜劇だ。
まさに人生賛歌と呼べるドラマ。
よかった、本当によかった。
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