むぅ

恋はDeepにのむぅのレビュー・感想・評価

恋はDeepに(2021年製作のドラマ)
2.5
「急患です!!」

最近、友人から貰った『スクリプトドクターの脚本教室』という本を読んでいた。
帯に「脚本家志望者のみならず、"ストーリー"に興味を持つすべての人に、オ・ス・ス・メです!」とある。
スクリプトドクターは、脚本家のお医者さん。行き詰まってしまったり、迷子になった際、第三者的な立場から脚本の問題点を抽出するというお仕事が多いらしい。
面白かった。

という事で、スクリプトドクターに診せた方が...と思ってしまったのが本音ではある。

でも、それよりも、私にはSNSの使い方を考えさせられるドラマだった。
「これ、他の人はどんな感想を持つのだろう」と思い、観るたびにTwitterで#恋ぷに(可愛い略し方だな)で調べていた。
「ヤクザと家族」を観てから、しばらく小さな綾野剛が私の頭のまわりを飛んでいた事もあり、主に綾野剛について言及されてるツイートを拾っていた。
まぁ、そもそも私も綾野剛目当てで観ていた。

・綾野剛だから好き
・綾野剛だけどダメ

この辺は"ふむふむ"である。

・ファンなのにダメって言うなんてファンじゃない
・頑張ってるんだから応援するべき

この辺から、ちょっとした論争が巻き起こっていて、そっと閉じてしまった。

作品の"好き嫌い"は人それぞれだと思うし、それを押し付ける事のないようにしよう、と思った。
もちろん、差別的な描写であったり、倫理観を問いたくなるような点に関しては大いに議論するべきだと思う。
相手が見えないSNSだからこそ、SNSでの気遣いや配慮を自分は忘れてないだろうか、と考えるきっかけになった。
私が積極的に"発信"という形で使っているSNSはFilmarksだけ。
他は閲覧専門である。
Filmarksを始めて1年、慣れてきた分、どこかで自分も鈍感になってるのではないか、と思った。
気をつけよう。

他にも色んな映画を観るきっかけを与えてくれたドラマだった。

え?これ、石原さとみ絶対人魚じゃない?と思って「リトル・マーメイド」を観た。
友人にお勧めされたのもあったけれどTwitterの流れから、ファンであることから歪んでいく「ミザリー」を観た。
きっと人魚の石原さとみと一緒に人間である綾野剛が海に帰るために、半魚人になる展開がきたらどうする?と思って「シェイプ・オブ・ウォーター」を観た。
それほっといていいのかな...と思う親子関係にムズムズして「BARに灯ともる頃」を観たいリストの後ろの方から優先順位を上げた。

これだけでも、私にはとても良い影響をくれたドラマだったと思う。





*ネタバレな感想




結局、石原さとみは人魚だったのだが、人間の姿になって浜辺に打ち上げられた際、ウツボが一緒について来ていた。ちなみに石原さとみ演じる海音と、このウツボは喋る。というか、魚と喋る。
海音が人間に惹かれていくと、魚の声が聞こえなくなっていく。
さすがに観なかったが「魔女の宅急便じゃん」である。
人間界の生活で常に相談役だったそのウツボを、海音は海に帰る際あっさり置いていった。
「えーっ!」
私がウツボなら、まぁまぁ裏切られた気分になると思うのたが。
スペシャルという、まぁ半分総集編だった最終週で「ウツボ...」と気にしていたら、海音がお世話になっていた鴨居さんの家の水槽にいた。海音がいなくなって3年経つのに。もういっそのこと、鴨居さんがウツボと喋れるようになっていて欲しかったような気がする。
それか鴨居さんに「海音ちゃんによろしくね」とか何とか言わせて海に返してあげて欲しかった。

その感想を話していたら友人に
「ウツボが好きで観てたの?」
と聞かれた。
いいえ、綾野剛です。


ここでは書けないような、率直な、というかもはや悪口では?という感想を聞かされていた友人が読んだら思うだろう。

「ええカッコしやがって!」

ですよね。
ま、でもそれはそれって事で。
むぅ

むぅ