真田ピロシキ

元カレは天才詐欺師 ~38師機動隊~の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.9
邦題が詐欺案件。確かに元カレは詐欺師であるけどさあ、そういうラブコメ要素ほんの僅かしかないし。もっと言うと元カノは脇役でしかない。主人公はイケメン詐欺師のソ・イングクとW主人公でマッチョおじさんマ・ドンソクの2人です。新感染(これもク○邦題として名高いですね)の後ならマ・ドンソク人気でこんなふざけたタイトルつけられなかったかもしれない。

話の筋は市役所の税金徴収課に勤めるペク・ソンイル課長が詐欺師のヤン・ジョンドと組んで高額脱税者から税金を騙し取っていくというもの。重要なのはこの主人公達は詐欺師なので悪人供を騙すと同時に視聴者も騙してくれてて、その時の描写が必ずしも真実ではないこと。後になってああそういうことかーとなって、後半は慣れてたので全てを疑いながら見てたんだけどやっぱり騙されてしまいます。悪人を騙す痛快さと脚本の妙に騙される痛快さを感じられる。

ターゲットとなる脱税者はドラマ全体で3人いて、その脱税額が50億ウォン、600億ウォン、1000億ウォンとまるでドラゴンボールの戦闘力みたいにインフレしていくのが悪人度を分かりやすくして面白いところ。ただ実際に感じる悪人度としては最後のチェ会長よりもその前に出たパン社長の方が高く感じられた。開き直りと恫喝を駆使し、ジョンドとソンイル両者に絶対に倒すべき強い因縁があるまさにボスキャラの風格。騙された後の足掻きと末路も良い悪役っぷりで、それに比べるとチェ会長は潔すぎる。最終回で更なる悪事が明らかになってますます会長の影は薄くなった。憎たらしさで言えば最初のマ・ジンソクも良くて、それだけに終盤の再登場はええっ?となった。あとは主体的に悪い事はしてないが保身に長けた心底嫌な奴のアン局長。巨悪よりもこうした小者の方が憎たらしく思えるのは、作中で言ってたように身近な悪の方がやっぱり心に残るのかもしれません。

続編をやりそうなテロップがありましたが企画あるんですかね?市の浄化が済んだ以上、ソンイル課長が絡む要素はもうなさそうですがまたやるならあのチームを見たいですよね。あとこれは突っ込んだらいけないのかもしれないが幾らなんでもソンイル課長は仕事を抜け出しすぎだ。降格されてた時は外回りの言い訳も通用しないだろと気になった(笑)