ゴーカイジャーがアウトローながらに歴代スーパー戦隊にリスペクトを捧げていたのに対して、まーーーコイツは問題作ですよ。人間一人にロボット四人というメンバー、平行世界がどしどし関わってくる設定……と聞くと普通攻めてるな〜と言いたくなるが、思い返すとかしわ餅やら牛乳やら柿やらテニスやら漫画やら頭痛がするようなカオスの連続。しかも困ったことに面白い。そう、メチャクチャ面白いのだ。
怪人や戦隊ギア能力の解釈が屁理屈じみてるし、おかげで能力バトルが一見するとギャグやコントにしか見えないという。しかし全員が死ぬほど真面目に戦っているので笑いのバランスは絶妙で、この辺はキラメイジャーも相当ハイレベルだったがこっちの方は世界観規模でやりたい放題やっているので始末に負えない。
その一方で縦軸のドラマは非常に王道で、介人とステイシーのぶつかり合いを軸に人間世界とキカイノイド世界、ひいては全並行世界を含めた『繋がり』の先にある希望の未来へ向かっていく結末は非常に良かった。ゼンカイジャー自身も敵を倒すために結成されたのではなく、介人の人柄に惹かれて生まれた戦隊というのもとても良い。
よくもまあ綺麗に風呂敷を畳めたなあと関心するばかりだが、一番ヤバかったのは回を追うにつれてどんどん色っぽくなるステイシーに目が離せないことだったな……。
