ソラアユム

スイート・トゥース:鹿の角を持つ少年 シーズン2のソラアユムのレビュー・感想・評価

4.1
題名:スイート・トゥース:鹿の角を持つ少年 S2
鑑賞日時:2023年5月28日
鑑賞方法:NETFLIX
評価:4.1(MAX5.0)

『我々人間はシカのあらゆる部分を利用するって知ってるか?』
 

鑑賞期間:2023/4/29~2023/5/28
2023年18本目

≪良≫
 S2はラストマンのリーダーであるアボット将軍が実質の主人公と言っていいだろう。滅亡ウイルスによって人類絶滅の危機に瀕している世界で、何とか治療薬を探そうと奔走するその姿は英雄と言っても過言ではない。ワクチン開発が尊い動物たちの犠牲のもとに成り立っている現実社会に照らし合わせるように、人類の存亡と動物人間の子供(ハイブリッド)の命という究極の天秤を突き付けてくるS2はファンタジー色が強い作風ながら中々にハードな作品に仕上がっている

 ワーナー×NETFLIXということで絵作りも非常にリッチだ。荒廃した世界だけど退廃的にではないし、ラストマンに比肩する組織の造詣も大変優れている。しかし、最も特筆すべき点はハイブリッド達のデザインだろう。モチーフとなった動物の特徴を残しつつ、しっかり可愛い。オオカミ少年と小鳥の少女が個人的には好き。

≪悪≫
 大きな不満点は特にない。

 ただ、この設定、この世界観ならば、思想的な部分での対立や議論はもう少し白熱させても良かったのではないか。人類第一主義のアボット、ハイブリッド至上主義のエイミーの思想の対立は良かったのだけれど、その中間層がいないのは少し不自然。ハイブリッドの味方となるアニマル軍団やビッグマンも滅亡ウイルスの脅威に対する葛藤が無いのはどうだろう。滅亡ウイルスによる脅威がほとんど描かれていないのも気になった。

≪まとめ≫
 S3で最終シーズンとのこと。つなぎのS2ということで、盛り下がってはいたけれど、次で終わりなので安心して見れた。


以上