ちちうえ

想い出づくり。のちちうえのレビュー・感想・評価

想い出づくり。(1981年製作のドラマ)
5.0
1981年の秋はテレビドラマファンの自分には一大事だった。同じ時間帯でTBSは山田太一の「想い出づくり」、フジテレビは倉本聰の「北の国から」を放映することになったのだ。

どちらを選択するか迷いに迷って「想い出づくり」を選んだ。


ストーリーは結婚適齢期の3人の女性が主人公
3人とも仕事をしているが、家族には結婚を勧められ、職場では男社会の弊害に嫌気がさし、想い出を求めて旅行クラブの勧誘で知り合うが…

古手川祐子は少し甘ったれ気味、親も少し過保護気味で、なかなか定職に付けず、いい加減な柴田恭平に惚れてしまう。当時の古手川祐子と柴田恭平の人気とストーリーの展開からもこのカップルがメインの主人公なのだろうが自分はこの2人の話が一番つまらなかった。

田中裕子は男性経験もいくらかあり、冷めた面もあるが自部の考えがハッキリしている。喫煙者。彼女が見合いで会う相手は今や名脇役で活躍する矢島健一、ケルケゴールの言葉を引用するインテリの役で途中からは田中裕子も彼に興味を持ちだしたが・・・。最後は根津甚八のアッと驚くどんでん返しだった。
田中裕子の父親役の佐藤慶が絶品。普段はインテリの悪役ばかりだが福島弁丸出しの田舎の親父役をやってもうまい!

森昌子は一番、あか抜けない女性で、家族もいかにも下町風。当時、森昌子の演技力に誰もが驚かされた。このドラマ以前の森昌子の役者としての印象は中三トリオ映画の脇役、たのきんトリオの野村義男的な立ち位置と思っていたが、様々な雑誌とかでもこのドラマの演技が大絶賛だったような記憶がある。もう少しいろいろな役を見てみたかった。
森昌子の婚約者役の加藤健一も良かった。70年代の様々な映画の脇役だったが、このドラマと「麻雀放浪記」の超二枚目役は印象に残った。



70年代から80年代の山田太一は「男たちの旅路(1976)」「岸辺のアルバム(1977)」「沿線地図(1979)」「獅子の時代(1981)」「想い出づくり(1981)「ながらえば(1982)」「早春スケッチブック(1983)」「ふぞろいの林檎たち(1983)」「冬構え(1985)」「シャツの店(1986)」と傑作が目白押しで山田無双状態。
バブル期に入ってからはあまりいい作品がない「ふぞろいの林檎たちⅢ」などはひどかった。
「上野駅周辺(1978)」「輝きたいの(1984)」「日本の面影(1984)」「深夜にようこそ(1986)」などももう一度見てみたい。


山田太一の多くの名作DVDソフトが廃盤プレミア化しており、入手しにくい。なぜブルーレイが出ないんだろう。(「北の国から」とか「前略、おふくろ様」とか倉本聰のブルーレイは出るのに)