日向充

なつぞらの日向充のネタバレレビュー・内容・結末

なつぞら(2019年製作のドラマ)
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このレビューはネタバレを含みます

100作目にふさわしい素晴らしい作品だった。
何より、最終月の以下の回収が素晴らしかった。
・会えそうで会えなかった千遥との再開(会えなかった理由もしっかりあった)
・オープニングでずっと観ていたアニメーションは「ソラ」のオープニング
・なつと泰樹の関係を「ソラ」の作成自体、及び夜明けのシーンで昇華

これらの伏線は、最初の月で全て仕込まれていたもので、本当に計算されつくされたものだったのだなと感嘆した。
もちろん最終月だけが素晴らしいのではなく、それが素晴らしくあるためには仕込みの月である最初の月が
魅せる内容だったことが当然の前提条件となっている。
その根幹をなすのは、泰樹と、なつの関係だ。
このドラマはなつと泰樹の物語だ。
泰樹の開拓者の精神を受け継いだなつは東京でアニメーションという畑を耕した。
最終回でよく耕したと泰樹にってもらえたのは泰樹に届く内容を作ったからだけれど、それがなつの作りたいものであり、なつの根幹をなすものだった。
そのアニメを作りたいから東洋動画を辞めたわけだし、ここらへんの流れは本当にとても自然。

ただしいまいち流れがよくわからなかったり、なぜこの人はこのような言動を、、的なところもあった。
特に東京での初期の咲太郎の振る舞いや、マダム、あやみの言動がいまいちしっくり来なかった。
あとからこういうキャラだったのねって思う感じと少し違うような。
あそこら辺の東京初期がもう少ししっくり来たら手放しで最高と言えたのだけどな。

あやみと咲太郎といえば、三兄妹それぞれ、咲太郎にはあやみが、なつには柴田家が、千遥には置屋の女将と料理屋の親方といった、二番出汁を作ってくれた人たちがいた。
そして父と同じ料理人になった千遥、なぜか同じ出汁の天丼を作れるのがすごい。
親方が父と同じ店で修行していたのかもしれない、という辻褄も合わせていて、また、天ぷらに関しては咲太郎も作っていたので、ああ、あれね、という納得感があった。本当にこういう仕込みがうまいドラマだったと思う。
そして極めつけは味付けは母である戸田菜穂さんがやっていたという記憶のフラッシュバック。
味によって呼び覚まされる記憶というのもとても良かった。
そうそう、それに絡めて言うと、朝ドラファンとしては歴代のヒロインが出て来たのが本当に嬉しくて、戦隊もの歴代ヒーロー集合のような感動があった。さすが100作目。15人も出たのか。
僕が特に嬉しかったのは松嶋菜々子さんと比嘉愛未さんと貫地谷しほりさんかな。
特に松嶋菜々子さんと貫地谷しほりさんは重要な役どころで、めちゃめちゃ良い演技をしてくれて度々泣かされた。

以下、観ながら取っていたメモ

■なつぞら(2019年9月28日第156回)観終わり(NHKオンデマンド)。天陽の畑を手伝いながら、自分が死んでも悲しむな、共にいると言う泰樹。坂場に今後ともなつをよろしくと言う富士子。てるおは今回のことで牛舎建て替えはまだ早いと判断。さらに今後もよろしくとてるお。お互いに出会えたから楽しい今があると言い合うなつと坂場。

・泰樹「お前はよく東京を耕した」アニメを直で褒めないのがいい!なつが東京に行く時の泰樹のセリフでもあるし。。
・「なつよ、朝ドラよ、101作目に続けよ」wwww
・泰樹が寝たのか死んだのかわからない感じもいいなー。


■なつぞら(2019年9月27日第155回)観終わり(NHKオンデマンド)。嵐で停電になり、搾乳機が使えない。電気が通るまで待ってると牛が乳房炎になってしまうため、みんなで手分けして手で搾乳する。てるおが気を利かせて牛乳をアイスクリームのところで冷やした。翌日、天陽の畑を手伝いに行く泰樹となつ。

・最終週、なつの搾乳の腕が生きるのが素晴らしい!!昔の服装もいい!

■なつぞら(2019年9月26日第154回)観終わり(NHKオンデマンド)。なつの前ではアニメの感想を言わない泰樹。雪月にみんなで行き、アニメの感想を聞く。とよばあさんから泰樹の朝日の感想も聞く。嵐がやってくる。

・じいちゃんの感想はとよばあさん経由で聞くってのがすごくいい!!

■なつぞら(2019年9月20日第149回)観終わり(NHKオンデマンド)。ちはるの義母、離婚を認め、店も続けて欲しいとちはるに言う。ちはるに料理を教えた親方は、ちはるたちの父と同じ浅草の店で修行したかもしれない。たけお、神楽坂の店に着く。

・義母、最初怖い感じで、千夏育てられるのかと言ってからの、店はやってくれがすごい。。緊張と緩和。のぶの、筋は通す人という情報も生きる。

■なつぞら(2019年9月19日第148回)観終わり(NHKオンデマンド)。ちはる、ちなつの親権や嫁いだ料亭にうそをついていたことや紹介した置屋に迷惑がかかることを恐れて今まで浮浪児であったことや兄弟がいることを隠していたが離婚してまた家族になりたいと言う。改めて妹、姉だと、優、ちなつに言うなつとちはる。のぶ、ちはるの義母のことをいろいろ調べてくれた。

・ちはる「だから私も食べて欲しかった。私がちゃんと生きてきたことわかって欲しかった」
・のぶ「ちはるちゃんがまた家族になったら僕の戦争も終わる気がする」

■なつぞら(2019年9月14日第144回)観終わり(NHKオンデマンド)。「大草原の少女ソラ」は視聴率は芳しくないが暖かいファンレターはたくさん届く。ちはるの娘のちなつがスタジオに遊びに来る。

・なつぞらオープニングのアニメが「大草原の少女ソラ」のオープニングだったとは。。ずっと使ってたBGMが実はってパターンは今まで何度もあったけど、映像では初めてだな。。
・それにしても最終月としてほんとに綺麗。最初の月のなつの幼少時代を綺麗に昇華させている。

■なつぞら(2019年9月9日第139回)観終わり(NHKオンデマンド)。東洋動画最終日、社長からも感謝されて会社をあとにするなつ。マコプロでの仕事が始まり、作画監督をまかされるなつ。美術に陽平が入る。

・「君をこの世界に誘って良かったんだよね」「仲さんに出会えなかったら、私は私になれませんでした。」

■なつぞら(2019年7月4日第82回)観終わり。
・ここまで散々引っ張ってたのに、まだ会わせないのすごい!これはほんとに想定していなかった。。どんな理由を用意するのだろう。
・初めての帰省を一点の曇りもない幸せにしないのもさすが。気になることのある状態での懐かしい人達との再会、食事。ぐぬぬ。。
・雪月からの出発時のあの清々しい感じとの対比もすごい。

■なつぞら(2019年7月3日第81回)観終わり。
「姉はこんなに恵まれて育ったんですね」「はい。とても幸せです。でも、幸せでは私は姉に敵いそうにありません」wwwwにくい台詞だけど、わかいちはるとしてはちょっとこまっしゃくれすぎではないかな。

■なつぞら(2019年7月2日第80回)観終わり。
・「ちはるもやってみるか? あー、その格好じゃ無理だ」引き止める作戦wwww
・「相手の顔が見えん電話はわしも好かん」wwwwいいの挟んで来るなー!

■なつぞら(2019年7月1日第79回)観終わり。
・「麻子さんともやってきたじゃないですか」「そうね。。ん?」wwww
・ちはるが3年後に北海道へ。なつと直接会わないのいいなー。しかしなつが東京に行ってるの知らなかったのなら、会いたくないのに来たのはなんだったんだ?


■なつぞら(2019年6月28日第77回)観終わり。
・ゆきのすけの「ゆきじろう、何をするにもこのくらいやれ」の合格の出し方は台詞回しの一つの重要なテクニックだと思う。
合格か不合格か、それに触れてから、次のことを話すのは普通の会話。合格か不合格かに触れずに別の言葉で言うというのが1つドラマ的であるのと、別のことであり、それは次のことである。ここが重要だと思う。発言者のデキっぷりがでる。ちんたらやらずに次のことを言うのだ。しかもドラマとしても尺の節約になる。
それは超名作王様のレストラン(第5話1995年5月17日奇跡の夜)の「名前、なんにします?」もそう。新作メニュー、合格か不合格か、すっ飛ばして名前について触れる。次のことを話す。かっこいい。
というわけでドラマの中のこのセリフに感動したのかプロの脚本家のテクニックに感動したのかわからないけど涙が滲んだw。

こんなところにも。
https://twitter.com/hinatamitsuru/status/1059826545282273281


■なつぞら(2019年6月22日第72回)観終わり。
・さかばのぶきっちょ設定しっかりしてるなー。

■なつぞら(2019年6月21日第71回)観終わり。
・霊感ww

■なつぞら(2019年6月6日第58回)観終わり。
自分全然だめだなって思ったのが、57回で麻子がなつの動画を見て目を見張るシーンで、なつはすごい、と思う、と思ってしまったところ。
でもそれでは全然おもしろくない。
堀内が描いたと思って、なんであのなつという子はラフとはいえ勝手に動画をここに持ってきてるんだと思って、堀内をひとしきり褒めたところでなつが自分が描いたと言う。
これがドラマ。
僕全然だめだ。
これがプロとの違い。
完全に僕は視聴者目線だった。これはなつが描いたとしっている。だからなつが描いたものが良いと麻子は思う。それ全然だめ。ドラマじゃない。


■なつぞら(2019年5月17日第41回)観終わり。
未開拓のアニメの世界に飛び込むことを泰樹の北海道開拓に例えるのは、さきに天陽が言っちゃうと、なつがその後言ってもパクった感あるから、天陽は言わなくてもよかったんじゃないかなぁ。。もしくはヒントを与えるくらいで。

■なつぞら(2019年4月15日第13回)観終わり。なつが十勝に移り住んでから9年。なつはすっかり柴田家のいち員となっていた。朝搾乳した後、お産に立ち会う戸村親子と富士子の父に声をかけ、由美子と妹と軽妙なやり取りをしつつ朝ごはんを食べる。自転車に乗って出かけようとしたところ、牛が破水した、富士子の父がなつに来いといっていると聞き、お産の場に戻るなつ。牛は逆子だった。へその緒が切れると中で子牛窒息してしまう。富士子となつともう一人くらいで引っ張る。なんとか取り出せたが、仮死状態だった。息をしていないから無理だと富士子の父が言うが、なつ、学校で習った人工呼吸をしたいと言う。見事牛が息を吹き返して、富士子の父に褒められるなつ。寝てても連れてってくれるから今日は馬でいけと言う富士子の父。午後学校についたなつ、学校の先生に遅刻の理由を問われてお産のことを実演も交えて話すなつ。帰り道、馬に乗っててんようの畑に行くなつ。

・これが土曜の終わりのシーン。畑のブリッジで土曜は観せてからのそこまでの間を埋める観せ方、うますぎる。。
日向充

日向充