うめまつ

いだてん~東京オリムピック噺~のうめまつのレビュー・感想・評価

4.8
最終回の始まりから終わりまでずっと泣いていたのは私だけではあるまい。こんな万感の思いでゴールテープを切るなんて想像もしてなかった。自分でもよくわからないけど映るものすべてに泣けてくる。晴れ渡る秋空。浮かぶ五輪の雲。約束のカラーテレビ。八月六日の子。万歳三唱ウェーブ。二つの国旗と独立記念日。志ん生の富久。時を刻み続けたストップウォッチ。54年ぶりのゴール。あぁオリンピック。オリンピック。それはなんて素晴らしい平和の祭典なんだろう。人類の比類なき発明のひとつだという事を私は全然わかってなかった。もはや『東京オリンピック噺』というより、『オリンピックが繋いだ平和の歴史絵巻』だった。国と国の諍い、人種と人種の隔たり、そんな小賢しいものは取っ払って、白も黒も黄色も赤も青も緑もぜーんぶ輪の中でぐっちゃぐっちゃに混ざり合って走って泳いで飛んで投げる、ただそれだけを公平に純粋に競い合って認め合うお祭りを120年も前からやってたんだぜ人類ってやつぁ。そんなの最高じゃんね。
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