なっこ

特攻兵の幸福食堂のなっこのレビュー・感想・評価

特攻兵の幸福食堂(2021年製作のドラマ)
2.8
このぐらいマイルドな方がいまの時代には伝わるのかな。

草餅から始まる特攻の話。
ほんとに美味しそうな草餅だった。
このくらい身近なものから見えてくる戦争の話の方が、自分に引き寄せて考えられるのかもしれない。
この草餅を抱えて特攻に行った人がいたのだ、と。

振武寮の名前をはじめて聞いた。そういうことまで含めて、特攻の作戦とは一体何だったのかを知らなければならないと思う。

8月15日をどこで迎えたのか。その後を生きた人たちは必ず鮮明に覚えている。価値観が一変する大きな時代の節目だったから。

対してゆるやかな時代の変化を生きている私たちのいまは、胸を張って平和だと言い切れるのだろうか。無謀な作戦であってもそこに身を投じる以外に選択肢のなかった彼らにいまはこんなにも幸せですとは、言い切れない何か、それを抱えていることを彼らにどう説明可能だろうか。

「君にはわからないのだ」と言われた主人公。私たちも未来の誰かに言うのかもしれない、あの時のことは君にはわからないよ、と。
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