きざし

宮本から君へのきざしのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2018年製作のドラマ)
4.5
マツケンが出てるので、以前から気になってたドラマ。


なんと、こないだ観た「愛しのアイリーン」とおんなじ原作者なんですね!?


主演の池松壮亮は、ちょっと暗そうな役が多いイメージ。

個人的には、ボソボソしゃべる感じが苦手やったけど…


この作品の池松壮亮は、
そんなイメージを払拭させるものすごい熱量を持った熱演!!!!


正直ビビった!!


真利子監督の「ディストラクションベイビーズ」があんまり合わなかった私には、

暗くてやなイメージを持ってて、
なかなか観れなかったんだけど。



なかなかどうして、かな~り観やすい!!!!(´V`)♪


しかも面白い~(´V`)♪


前半のマンガあるある~☆な
通勤途中で見かける彼女への片思い。


そっからどう声を掛けようか…?



後半の、マツケン演じる神保と組むようになってからの仕事への情熱!!


いやもう!


さすが昭和のマンガですわ(・д・)



今どき、果たしてこんな若者はいるんだろか…???


ひたすら大声でわめくような挨拶。



自分が欲するものに対する自己表現の激しさ。




実際に目の前にいたら引くやろなぁ~なくらいのものすごい迫力…!!!!


 
池松壮亮は、それを見事に演じ切っていた。



彼のここまで叫んでわめいて百面相してる作品は、後にも先にもないのでは…?



しかも、陽ではなく陰のエネルギー。



負のイメージを保ったまま、
あそこまでの熱量あるのってなかなか観たことないなぁ…



個人的には、これをマツケンで観たいと思った。



でも、それは生涯ベスト級ドラマ
「平清盛」の若かりし頃のマツケンに似てたからかもしれない。   



ただ、マツケンの場合はおんなじ中二病でも陽のイメージが強かった。




だからやはりこの宮本を演じられるのは池松壮亮しかいないのかも!




久々に、良質のドラマを観た気分。



後半の彼等は、涙なくしては観れません!!



仕事に打ち込む全ての人に観てほしい。


取り分け、仕事に対して疑問をもち、
熱意をなくしてる若者に…



果たして自分は、
宮本のように思いを相手にぶちまけられるだろうか?




宮本の自己顕示欲の強さは、
正直辟易するくらいで

周りの見えてなさと、

こねくり回した自分の言い訳みたいな議論にも、
イライラしたけれど…




でも、それは自分が昔よりほんの少し大人になって視野が広がったからだ。




あの周りの見えてなさ。

世間の一般常識より、
自分の思いを優先し、曲げることを知らない傲慢さ。




あれは、きっとかつての私だ。




だからイライラするし、見ててもツラい。



だけど、分かるからこそ応援したくなる。




宮本と神保の足掻き続ける姿は、
みっともなくもあり、情けなくもあり、

そして、ちょっぴり羨ましくもある。




なぜならば、それは青春そのものだからだ。 




若者よ、大志を抱け…!!!


若頃はそれでいいんだ。



若いころしか持てない情熱と、
身勝手さと、体力を持って、 

怖いもの知らずで前に突き進め!!!!



これは、そんな若者への

そして、

かつて若者だった私たちへの応援歌のようなそんな作品。




 



 
きざし

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