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ハウス・オブ・ザ・ドラゴンのaiaiのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・ザ・ドラゴン(2022年製作のドラマ)
3.0
シーズン1が終わった。
終わってみれば、GOTのプリクエル(前日譚)というよりは、スピンオフドラマという印象。

出産に始まり出産に終わるという、一族の産みの苦しみをメタファーとしたシナリオであったが、主役のバランスを欠いた展開でドラゴンもさほど活用できず、興奮冷めやらぬ展開にはならなかった。

仮にシーズン2で全面戦争となった場合、じゃあなんのためにシーズン1でこうもダラダラと一族の権勢を牽制し合うという(笑)展開を続けたのか無駄に終わる。

だったら、3話目ぐらいで今回の10話目の話の展開をもってきたほうがスピーディーで良かったかもとなってしまうだろうし、仮にシーズン2で相も変わらぬ産みの苦しみのルーツを続けた場合、打ち切りになるだろう。

残念ながら、ハウス・オブ・ザ・ドラゴンは詰んでしまった感がある。
後日譚に期待するしかないか?

↓最初は期待してテンションばくあがりだったけど、だんだん落ちていきました(笑)

(--ii--)冬が来る前に『ゲーム・オブ・スローンズ』のプリクエルきたる!~再び伝説は生まれるのか?~6話目更新!

『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚ということで、ハードル爆あがりの本作。
さぞかし製作サイドのプレッシャーはいかばかりかと、心中察しておりました。

そして、あの興奮がまた味わえるこの時を夏の終わりに迎え、嬉しいかぎり。

はたして本シーズン、冬が来る前に終われるのか?(笑)
言いかえると、やつらが壁の向こう側からやってくる前に・・・

さて、本作の時系列的位置づけはというと、

本作 → 200年ほど経過 → GOT

GOTよりも200年ほど前の世界が本作。

犯人を先に知って、推理を楽しむというファンタジーの“刑事コロンボ”スタイルではないが、

“あの未来にして、この過去あり”

といった、未来のGOTを知ってから過去のHODを知るという楽しみ方。
(そういえばSWの公開順番はEP4が最初だった)

もちろん、見方はいろいろで、時系列にそって、本作みてから、GOTをみるというのもありかもしれない。

今後は1話づつ感想を追記していきたいと思いまーす!

***1話目:ドラゴンの後継者
~やはり血は争えないターガリエン家の血筋~

『ゲーム・オブ・スローンズ』におけるターガリエン家のスタートは、妹のデナーリスとお兄さんの2人という、なんとも心もとない状態であったが、この家の200年前は、7つの王国を治めるトップに君臨する国。

それはやはり、なんといっても、あのドラゴンを用いた軍事力。

現代でいうところの核兵器のメタファーかもしれません。

そんなこの世の春を謳歌しているターガリエン王家であるが、もっぱらの話題は継承権(誰を次の王にすえるか)のお話から始まる。

伝統的なグロさは健在。

じゃっかん巻き舌気味で言う「ドゥラァカリス!」も1話からすでにお目見え。
興奮したーー!あれが聞けるとは!!

※「ドゥラァカリス!」とは・・・
「お手!」とか「お座り!」みたいにドラゴンをしつける言葉で、「燃やせ!」。
その言葉を聞いたドラゴンは、対象物に(それが人間であろうが物であろうが)強烈な炎を浴びせ、一瞬で灰にしてしまう。
状況によっては、天空の城ラピュタの“バルス”じゃないけど破滅的な感じで、
「燃やし尽くせぇ~!」
って指示で使われたりします。


<<1話目を見たという前提で>>


2話目:王弟
~卵が先か、弟が先か? “王手飛車取り”ならぬ、“王の手弟取り”と思いきや、“王女卵取り”になってしまうの巻~

来た、来た!政治の世界が!

GOTの見どころの一つとして、政治の駆け引きがある。

これがGOTをより重層的な物語に仕上げていると言っても過言ではないが、一方で、こういった大人の事情のような政治関係はややこしく、わざわざファンタジーに持ち込んで欲しくないと感じる向きもあるかもしれない。

このあたりが、いってみればGOTの“初見殺し”の分かれ目にもなった。

今回のHODもまさにその政治ドラマが色濃くGOTから踏襲されていることを強く確信する。

もちろん、好き嫌いはあるので仕方ないが、ただ、それキッカケで落ちるのも、ちょっともったいない気もする。

***それを踏まえてHODの登場人物の座組整理(2話目現在)

GOTのレビューにも書いたが、やはり登場人物の整理と把握がキモになるドラマ。

キャラの性格や特徴を押さえつつ、これまでの行動も踏まえて整理してみよう。

<ターガリエン家>

王)ヴィセーリス・ターガリエン
趣味はジオラマ(笑)
バランス感覚にすぐれており“聞く力”を持っている王。
ただ、だいたいの世界において、私は「聞く力」を持っていると言ってはばからないトップは、政治的な決断力に欠けているのが常(笑)

この王の肩には、自国だけではなく、7つの王国が乗っかっているので責任も重大、おいそれと斬新な方針を打ち出せないこともわかる。

残念ながら、世継ぎの出産トラブルで妻と生後ちょっとの息子まで失う。
本人は妻を愛していたので、がっくり来ているが、周囲がそれを許さない。
早く次の後継者を生むための、新たな妃を娶ることを進められる。

王自身はなにかの病にかかっており(GOTのあれか?)治療中。
マゴット療法は現代でもあるが、ああいうやり方ではないと思うので、見た目ちょっときつい。

王の弟)デイモン・ターガリエン
兄の王と性格も考え方も真逆。
この男が今回の物語にドライブをかけるキーマン。
激しく乱暴で傍若無人。
評議会のメンバー(王を中心とした内閣)から疎まれる存在だ。

王からすれば血を分けた弟なので、なにかと目をかけられているが王も我慢の限界がある。
王の継承権は自分にあると考えている。
何をやらかすか、この男の行動から目を離せない。

王の娘:レイニラ・ターガリエン
ジオラマ好きの王は、息子も無くし、次の王はこの娘しかいないと、女王として認められている。

正式な儀式も終えているが、女王は歴史上過去の前例が無いと、周囲から陰に陽に反対されている。

まだまだティーンの女の子だが、ドラゴンライダー(ドラゴンの背中に乗って空を飛び回るスキルを持っている)

王の娘ということもあってか、誰に対しても物怖じしない真っ直ぐな性格で、クレバー。

第2話の事件では、王の弟(彼女からみれば叔父様)と真っ向から対峙し、見事解決する。

幼いながら、リーダーとしての資質を兼ね備えている。

<ハイタワー家>

王の手:オットー・ハイタワー
昔の日本でいうと、”大老”井伊直弼じゃないけど(笑)、王の右手であり、左手でもある。

つまり、王の両手(笑)

国の内省を司る、評議会のナンバー2(王の次に偉い)

王の手の娘:アリセント・ハイタワー
王の手オットーの娘。
七王国一の美女と言われる。
やはり、クレバー。
王の娘のレイニラとお友達。

アリセントは父(王の手)から指示を受け、王の部屋にいき、王を慰める。
王が唯一、心が休まるのは、自分の部屋でジオラマをさわるひと時だった。
そのジオラマのピースを落として割ってしまったことを知り、次に来たときは修理済のそのピースを王に渡す。

ささいなことであるが、趣味のジオラマに寄り添ってくれた彼女に王は顔をほころばせる。

このアリセントの”人間ディアゴスティーニ戦術”(笑)は、王の心を打つことになる。

<ヴェラリオン家>

レゲェ:コアリーズ・ヴェラリオン
ドレッドヘアみたいな髪型なので、勝手にそう呼ばせていただく(笑)

この男、ヴェラリオンという名家の当主でターガリエン家の姻戚、評議会メンバーのひとり。

役割は、なんだろう、国防大臣というか、海軍をもっている武闘派。
王にいろいろ進言するも、その内容が武力行使過ぎて受け入れられない。
評議会のなかでは蚊帳の外扱い。

適当な扱いをされていることもあってか、なんとか王家と深い関係になり、評議会における自分の立場を高めたい。

そんな政治的野望から、自分の12歳になる娘を、男やもめの王の妃にしてもらえないかと打診する。

さすがに、ジオラマ作りが趣味の王とはいえ、ロリコンではないので、断られる(笑)

それに憤慨したレゲェは、王の弟と組んでよからぬ企みを・・・

他にも登場人物はいるが、おいおいです。


<<2話目まで見たという前提で>>


3話目:名を継ぐ者
~前回までのHOD:
王がアリセントを妃にすると発表、みんなびっくり、特にアリセントの友達レイニラ(王の娘)はげんなり。
一方、デイモン(王の弟)とレゲエ(海軍大将)は蚊帳の外同志で良からぬ相談をする。

~今回のHOD)
すでに3年が経過したという設定。

王の妃となったアリセント(王の手の娘)は、
ジオラマパーツ(整備済)→世継ぎ候補男の子出産→次の子(まだお腹の中)という、毎号届くのがお楽しみの“ディアゴスティーニ”のような戦術により、王のハートを鷲掴みにしている(笑)

その王が今一番心を砕いているのは、娘のレイニラの身の振り方。

彼女はもう20歳を超えていて本来なら結婚すべき年頃。
王はほんとに彼女の幸せを願っているので、どこかに嫁がせようと策を講じるのだが、それが裏目に出て、レイニラからヒンシュクを買う。

レイニラはレイニラで、友人であり母となったアリセントの子供が男子という、新たな世継ぎ候補の登場により、周囲が自分のことを追い出そうとしているのではないかと、何も信じられない状態で、精神的にも追い詰められている。
奇行が目立つようになる。

一方、デイモン(王の弟)とレゲエ(海軍大将)は、辺境の土地(ステップストーンズという、複数の島で構成された場所)で勝手に戦争を始め、その戦況もかんばしくない。
ドラゴンを擁するも、キングダムの楊端和みたいな仮面の男をリーダーとする種族が、ゲリラ戦をやっていて手こずっている。

王からすれば、勝手にやったことなのでほっておきたいところだが、やはり実の弟なので、助け舟を出す。

王から弟へ向けた信書をもった使いが渡す前に、

「アンダル人ロイン人および“最初の人々”の王、七王国の君主にして守護者様」

この頃はまだこんなもんだった。

ちなみに200年後のGOTの後半だと、ターガリエンの女王デナーリスの接見時とかの、「お控えなすって、手前、生国と発します・・・」みたいな仁義は(笑)

「嵐の申し子デナーリス、鉄の玉座の正統な継承者、アンダル人たちの正統な女王、七王国の守護者、ドラゴンの母、大草海の女王(カリーシ)、焼けずの女王であり奴隷解放者」

長っ!(笑)

気になるのは、アリセントの身籠っている子。
もしかして、ドラゴンだったりして?(笑)

感想)
嵐の前の静けさかもしれないけど、
3話目はちょっと箸休め的な話になったかもしれません。
父と娘の関係性は、いつの世もおなじということか。


<<3話目まで見たという前提で>>


4話目:狭い海(ナロー・シー)の王
おおっと!B級AVテイストよろしく、レイニラとデイモンの掟破りの背徳から始まりました第四話、公務感H満載の世継ぎ製造機ことアリセントと、その父、王の手オットーの更迭劇、おおっと!王のキックがデイモンの腹に炸裂したぁあ!!!

デイモン(王の弟)はステップストーンズで勝利し、王都へ凱旋する。

レイニラ(王の娘:王女)は相変わらず、くさってる。

アリセント(王の手の娘:王の妃、女王)は若いが、義務感満載、公務感満載の王との世継ぎ製造行為にじゃっかんくすりぶり始めている。

デイモンは以前、レイニラと対決した仲であったが、彼女がくさってる境遇を自分と重ねたのか、息抜きをさせてやろうと、夜こっそりと二人変装して、レイニラを市中に連れ出した。

レイニラにとっては、見るもの全てが新鮮。
自分を揶揄する芝居にげんなりもするが、デイモンから王都を支配することになるのなら、評判を知っておくべきだとたしなめられる。

ここまでは良かった。
いい叔父さんしてるじゃんかと。

ところが、なんの狙いか、娼館にレイニラを連れていき、レイニラも周りのラブ・ラブ状態に感化されたのか、こともあろうにデイモンとラブ・ラブ・ドラゴン状態へ!(笑)

姪と叔父!

2人の関係はすぐさま、王都の関係者に知れ渡ることになるが、そのことを王の耳に入れる役目は、やはりオットー(王の手)

非常に言いづらいことなんですがと。

これがまずかった。

王に呼ばれて問いただされたレイニラはデイモンとの関係を否定し、オットーの策略ではないかと詭弁を弄する。

娘のことだからと信じてしまった王は、逆にオットーを更迭する。

さあ、どうなるオットー!
どうなるハイタワー家!

オットーの娘でもあるアリセントは黙っちゃいないだろうが、レイニラとの関係もある。

激怒した王にしこたま蹴られたデイモンは反逆に打って出るのか?


<<4話目まで見たという前提で>>


5話目:われらは道を照らす

世界の均衡をとるため、王はレイニラを、レゲェ(海軍大将)の息子と結婚させようとする。

しかし、この息子がGOTあるあるで好きな男がいる。

レイニラもそれを知っていて、結婚は結婚、互いの性癖や好き嫌いは尊重しようという約束をする。

婚姻パーティの席にデイモンもあらわれる。

フォークダンスみたいに代わる代わる知らぬ男女が入れ替わるなか、デイモンとレイニラが顔を合わせ、デイモンはレイニラに「お前それで満足なのか」的な会話の小競り合いをする。

2人が気になる、ひな壇の王。

ところが、パーティの最中、ある2人の争いが勃発、しかもその結末がグロい。

よく、そんな会場でその日のうちに式を挙げられるなぁと思うが、挙げてしまう。
そして、式の場で倒れる王。

風雲急を告げる。

果たして、王は?
レイニラは?


<<5話目まで見たという前提で>>


6話目:王女と王妃

NHK朝ドラで、子役から大人役に切り替わる際、月日を経過させるのはよくあるが、さすがに10年経過は自分の記憶にない。
しかも、もう3人目の出産。

アリセントはアリセントで、嫌な感じになっちゃってるし(笑)、王も前回(といっても10年前だが)結婚式で倒れて、てっきり駄目かと思ってたのに、しっかり権力の座に居座っている。

ちょっとお家騒動色が強い話が続き過ぎているか?

急いでいるのか、物語を端折りすぎた感もある。

また、もう少し、シナリオにアクロバティックさが欲しいところ。

新レイニラ、新アリセントには幼稚さがあって、あのGOTのサーセイのような悪には到底およばない。

7話に期待したい。
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