ジェイコブ

真犯人フラグ 真相編のジェイコブのネタバレレビュー・内容・結末

真犯人フラグ 真相編(2022年製作のドラマ)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

平凡だが妻、娘、息子と家庭を築いて幸せに生きている相良凌介。絵に描いたような理想の家族は、ある日凌介を除いた全員が突如として失踪してしまう。凌介は警察に失踪届を出すが、まともに取り合ってもらえず、友人の週刊誌編集長の河村に相談し同誌の特集記事として扱ってもらうことに。記事は話題を呼び、各メディアが凌介を取り上げると世間から同情を集める事に。しかしそんな中、SNS上で凌介を疑う声が上がり、盛り上がりを見せるようになる。やがて凌介が妻に多額の保険金をかけていることが暴露されると、凌介に対する世間の声は一転、誹謗中傷へと変わっていく……。
秋元康原案のドラマ。あなたの番ですのスタッフが再結成した事でも話題となった。
言いたいことは山ほどあるが、まず一つ。警察が間抜けすぎる。切れ者なんだかアホなんだかよく分からない二人組。このドラマに相棒の右京さんがいれば3話くらいで話が終わってしまいそうだから、まあそこには目を瞑るとしましょう。ただ、そもそも防刃ベストも着けずに、銃片手に凶悪犯がいるかもしれない建屋に突入なんて、無謀もいいところ。銃の携帯が許可されているときというのは、セットでベストもなきゃ不自然なわけで。あと、ちょいちょい挟む刑事同士のどうでもいい話の蛇足感。どうでもいいように見えて実は意味があるんです……といっても、それを絶対に挟まなきゃいけない理由はないだろうと思う。
後半、娘の光莉の彼氏である一星が脅迫されていたとはいえ犯行に加担していたことが明らかになるのだが、種明かしされた段階で正直まあそうだよなあと思わざるを得なかった。というのも、普通に考えれば物理的に一星が関わっていなければ不可能な点が目立ってしまっていたために他ならず、予測不能な展開を演出しきれていなかったのがある。
あとは、都合のいいタイミングで出てきたカルト教団のチープさ。やる気のない教祖に、教義も雑に描かれていたため、もはや変人パフォーマンス集団にしかみえない。
極めつけは最終話。これまで回収しきれなかった伏線を大急ぎで集めて、何とか間に合わせましたという印象。2クールもやったんだから、もっと丁寧に回収していくのが筋というものだろうが、「良かったねえ」みたいな雰囲気で誤魔化されている気がしてならない。また、犯人の自分語りも多すぎる。思わずBLEACHで藍染が「あまり強い言葉を使うなよ。弱く見えるぞ」と言っていたのが頭によぎったほど、2クールのドラマの犯人が、2時間サスペンスレベルのチンケな悪役に見えてしまった。
色々書いたが、このドラマを一言で表せば、話題性に対して中身が伴っていないドラマだろう。秋元康氏が、展開を引っ張って作るクリフハンガー形式の海外ドラマに憧れているのは分かるが、普通にやればワンクールで終わるような中身のドラマでやったとしても、ペラペラの内容にしか映らない。秋元氏はこれからドラマ製作に本腰を入れるようだが、このような小手先の誤魔化しはせずにやってほしいと願うばかり。