マッチョデーモン

D.P. -脱走兵追跡官-のマッチョデーモンのレビュー・感想・評価

D.P. -脱走兵追跡官-(2021年製作のドラマ)
4.0
小山田圭吾のクソヤロー!韓国軍の脱走兵を追う憲兵のバディ形式ドラマで色々な話があるのだが、終わってみると部隊内いじめで正気を失い凶行に走るチョ・ソクポン一等兵の話しか頭に残らない。ソクポンは元は柔道の有名選手なのでガタイは良いのだが、人を倒すのが嫌だという理由でやめるくらい気弱で好きなものがアニメなので非常にナメられていてそのために超絶クソ野郎ファン・ジャンスを始めとした古株に虐められている。これが学校なら最悪辞めてしまえば逃げられもするが、徴兵制ではそんな選択肢すらなく生き地獄そのもの。逃れるのに最もイージーなのはその手にある銃を使ってクソをこの世から抹殺。微笑みデブがクソッタレハートマンをブチ殺したようにね!

一度は確保されたソクポンに対して理知的な顔をしてる上官のパク・ボムグが「殺しても相手は後悔する間もない。自分が後悔するだけ」みたいなこと言って諭すんだけどうっせえわ。知っていながら何もしなかった事勿れ主義の軍人を責め立て暴れて再び脱走と復讐に乗り出すソクポンには分かり味しかなく完全にソクポンの味方として見入ってた。ソクポン、お前は絶対的に正しい。最終話のタイトルは傍観者とあるように、加害者のみならず善良なツラをしながら何もしなかった傍観者の罪を追求してて、韓国の徴兵ドラマであるが日本でも身近な問題として捉えられて広い共感が得られる。ただ顛末はどうかと思ったのよ。ええー自殺なんかしても何も変わらねーじゃねえかよと。何、フィクションなのに現実に追従してしまってるのさと。しかし最後にやったアレ。ソクポンが自殺未遂をしても案の定何も変わる素振りを見せない軍隊に対して「変わらないと」と放たれた抗議の弾丸。これだよ!これこそフィクションの意味だよと喝采!画面の中から現実を殴ろうとする強い意思が感じられた。北朝鮮と未だ休戦中という事情があるのは理解しているが、こういうドラマが作られたのは向いてない人間でも強制的に入れる徴兵制への疑問が強まっているんでしょうかね。これを見ると日本でクソバカ右翼どもがほざく徴兵制を復活させて根性を入れ直すべき論がどれだけ狂っているか教えてくれる。また徴兵を逃れる富裕層の存在や兵に貧しい人が多いのを見ると勇ましくてご立派な事を言っているが実際の制度の欺瞞を白日の下に晒してて、辛いドラマだったが私の軍隊的マッチョへのアンチ思想を強められて見て損はなかった。

あと小山田圭吾は昔から例の件で心底嫌ってて、Amazon Musicで何度も薦められるのに嫌気が差してSpotifyに変更させられた程なので、世間はもう忘れようとしているかもしれませんが私はイジメ関連の作品を見たら引き合いに出してやろうと思います。どうせ今までと同じように黙ってれば勝ちと思ってるんでしょう?