雲呑

D.P. -脱走兵追跡官-の雲呑のレビュー・感想・評価

D.P. -脱走兵追跡官-(2021年製作のドラマ)
4.5
韓国で面白いと話題だったので鑑賞。
とても面白かったけど、とても心が重くなった。
今まで軍隊について、韓国の男の人はハタチくらいになったら2年くらい行かなきゃいけないんだよね〜とか、軍服(?)着てるイケメンを見て格好良いくらいしか考えたことがなかったんだけど、これ見て軍隊の暗い部分を知ってすごく衝撃を受けた。
他人と暮らすというだけでも難しいことなのに、厳しい訓練のストレスと縦社会の中で過ごすって本当にきついと思った。20歳を少し超えた一番良い時期の男の子たちが、いきなり親元離れて軍隊で集団生活を送り、さらに家庭環境やバックグラウンドが全く異なる人たちが共同生活を送るって相当難しいと思う。ソクポン一等兵のように優しい人もいれば、ジャンス兵長のような暴力スレギ野郎もいて、入隊時から暴力スレギ野郎にやられたら自分達も先輩なった時に同じようにやってしまうし、それが永遠と続いていく。さらに優しい人やいじめのターゲットになった人が、とてつもない大きな傷を心に負って自殺してしまったり、復讐心から他の軍人を殺してしまったり、取り返しのつかないことになる可能性が大いにあり得るっていうこと。
このドラマの時代設定が2014年で、ちょうどこの年に軍隊で2つの大きな事件があった。このドラマの中で起きたことが現実に起こっていたということを考えると、本当に恐ろしくて苦しい。
何人か兵役経験者にに聞いてみたけど、このドラマは最初の1年目の部分の暗いところしか映してないから悪い印象を持つかもしれないけど、良い思い出もたくさんあるって言ってた。あとはドラマほど深刻な暴力はないにしても、ある程度の욕とか殴るとかっていうのは理解できるって言う人もいた。こればかりは実際に私が経験したわけでもできるわけでもなくて、兵役経験者だけが考えることがあるんだろうなと思った。
5話から最後のカートリッジ終わりまで、とても考えることが多くて重くて辛くてしんどかったけど、ホヨルとのベストペアっぷりがくすっと笑えて面白かった。

追記
ラストのトンネルに出たところは震えた。
雲呑

雲呑