うっちー

マイネーム: 偽りと復讐のうっちーのレビュー・感想・評価

マイネーム: 偽りと復讐(2021年製作のドラマ)
3.9
 存在は知っていたけど、出演作をちゃんと観たことがなかったハン・ソヒ。満島ひかりさんに似てませんか? かわいらしいのだけど、本作のスタイリングだと少年ぽさもあり、韓国の女性俳優では新鮮に感じた。しかしまぁ、なんと凄い作品を選ばれたのか。その勇気と努力に感服します。これはめちゃくちゃ大変ですよ💦

 全8回で、各回1時間程度。ほどほどの時間数ながら、なんと重厚な余韻をもたらすのかと。血の量は多いし、登場するナイフが皆とんがっていて、痛さを強調。きっと俳優さんたちは、打撲やら切り傷とかも大変だったろう💦 

 決して目新しいものはないストーリーや設定。『コインロッカーの女』や『ファイ 悪魔に育てられた少年』とかに構造はちかいのかも。また、警察とヤクザにお互い潜入するという、入れ子構造も、後発だからゆえの利点を発揮して親子が時間差で逆をやるという業の深さ(そういう意味では『新しき世界』の要素も入ってるかも)。救われない境遇のヒロインの憐れさを増強させる。10㎏増量したというソヒちゃんは、それでも全然スレンダーで、増量前が危ぶまれるほど。しかしほんとに頑張ってる。強くないからこその闘い方を仕込まれるシーンなんかはとても勉強になった。
 とにかく、さまざまな不条理、不平等、不運に打ちひしがれる人が立ち上がる不屈のタマシイとでもいうべきものを揺さぶる作品だと思う。まあ、つらさの業を、さらに恨みの業で返すという不毛さもあるのだけど。ハードでダークな音楽もびったりで、めちゃくちゃカッコいい。
 悪役のパク・ヒスンが、一筋縄ではいかない複雑で、狡猾で、しかしどこか孤独な男を演じていて、残酷でズルいのだが、カッコよい。たまに神出鬼没な機動力を発揮するゲリラ活動もするラスボスってちょっと珍しいかも。最後の決闘シーンはまるで『アジョシ』みたいでした。

 既視感はあるし、不自然なところもあるけれど、ここまで若い女性をメインに据えてじっくり魅せるノワールはあまりない気が。なんとなく続きがありそうなラスト。やり切った感のジウはこれからどうするのか、、、。悪役顔だと思っていたアン・ポヒョンがとても良い男役。だから結末は……😢 余韻に浸れるドラマでした。