あお

わげもん~長崎通訳異聞~のあおのレビュー・感想・評価

わげもん~長崎通訳異聞~(2022年製作のドラマ)
3.4
4話構成なので普通に起承転結でよいものを、場面展開の忙しなさで言うと転承起結といったところ。展開もカット割も独特で、4話への入りは最高だったけど、そこまでが苦しかった。1話冒頭からお急ぎ感が露骨で心を掴まれず。いくつかの話の筋を急ぎ絡めたかったのか、主人公が父親探しと人助けをいきなり両立させようするため、展開も無理やりだしキャラクターも掴みづらい。そんなに急いだくせに2話では前話の振り返りに尺を割いたのが解せなかった。長崎の通詞というテーマ設定はおもしろいだけに残念。
ただ、通詞の優秀さと悲哀、お役目と個の間で揺れる物語は1本筋が通っていて良かった。演じた小池徹平が、壮多に真実を語る姿(3話)や奉行に意見を言う姿(4話)は名場面。

言葉が主役の作品だけに、俳優陣の外国語修得は要だったと思われる。さすがはNHK(?)その点での不自然さや違和感はない(オランダ語はわからんけど)。でも徹平くんは長崎弁が一番難しかったと言っていたw

キンプリ永瀬くんの演技をちゃんと観たのは初。滑舌も良いし、凛としていて良いですね。
久保田紗友ちゃんは「疾風ロンド」で知った美人さん。相変わらず綺麗だし、出演も増えていて嬉しい。和服も似合う。ビジュアル的に永瀬くんとも合うなあ。
トリンドルくんは若きウエンツみたいでエモいなー。木村昴さんは大河の前にここにも起用されてたのね(NHKに気に入られた感w)。
高嶋政宏さんが受ける役、癖の強さがどんどん増してますよね(政伸さんもかw)。存在感で作品が締まるし、濃いキャラクターがそのまま作品の雰囲気に繋がる、すごい俳優さんだなと思う。

オーケストラ調のエンディング曲がとてもかっこいい。文字でできている題字もすごい。
回想のときに注目人物だけカラーにする工夫、今までありそうでなかったのでは。
いろいろと挑戦的なものは感じ、その点で評価はできる。
あお

あお