事件を捜査する中年女性と、サイコパス殺人犯の若い女性。とくると『キリング・イヴ』なのだが、いかんせんパンチが足りなさすぎる。サイコパスの殺人がいろいろ凝ってはいるだけで、ちょろすぎる。
サイコ殺人犯（キム・ヘジュン）の造形に驚きがなく、おしゃれでもない。ただ感じが悪いだけ。ジョディ・カマーと比べるのは酷かもしれないが、キム・ヘジュンも『キングダム』のときは底知れない怖さがあったことを思うと製作陣の責任かも。
美人女優の代名詞のようなイ・ヨンエがボサボサ髪でオンラインゲーム好きというのは思い切ったキャラクター。守りに入らず、今までにない役柄に挑戦するのはいいことだと思う。
でも彼女がどうしてそういう性格になってしまったのか、夫の死とどう関係しているのかさっぱりわからず、中途半端。サイコパスとの因縁も中途半端。ひとつの事件が片付いただけで、何もかも半端なまま終わってしまい、煮え切らない感じだった。
個人的に『キリング・イヴ』と比べてしまったから面白く思えなかったのかもしれないが……。
