カトー

サンドマンのカトーのレビュー・感想・評価

サンドマン(2022年製作のドラマ)
2.8
DCの超有名グラフィック・ノベル、待望の実写化。

恥ずかしながら原作は未読。グラフィック・ノベルは世界観やらルールやらが独特で、あまり得意では無い。

そして予想通り本シリーズもユニークすぎる世界観に何の説明もなく放り込まれるので予備知識がないためか作品に入り込むのがかなり難しかった。次から次へと新しい概念がレイヤーのように積み重なっていくため、カジュアルに楽しむにはかなりハードルが高いと思う。間違いなく好き嫌いがハッキリ分かれる作品。

「夢」や「欲望」といった抽象的な名前を持つキャラクター達に加えて、ストーリーも抽象的且つ哲学的で、追いついていくのに必死だった。ドリームを中心としたオムニバスのような構成のシリーズだと理解してからは楽しめるようになったけど、結局根本的なストーリーには大して惹かれなかった。それでもエピソードによっては引き込まれるものもあって、特にサイコホラー味が強い5話は個人的にはベストエピソード。

ビジュアル的にはぶっ飛んだ世界観の割にはふつーな感じがして、残念だった。キャラクターのクセの強さに予算とセンスが追いつけなかった感じ。ドリームvsルシファーのイメージ映像バトルは斬新且つシュールで良かったけど。これザック・スナイダーが撮ってたらさぞかし凄い映像体験が出来てたはず。

あとネトフリ製らしく多様性の強要もかなり引っかかったポイント。キャストの黒人比率が異様に高い上に、同性愛も無理やりぶっ込んでくる有様。原作リサーチしたらジェンダーと人種スワップが凄まじいことになってた。正直ゴシック的なダークファンタジーに黒人が出てくるのは違和感がある。黒人キャストが悪いわけではなく、単純に世界観に合ってなかった。特に主役が病的な感じの白人なので、生命力強そうな黒人が周りにいると画面のバランスが悪い。原作基準の人種でやってほしかったけど、ニール・ゲイマンががっつり製作に携わってるから堂々と文句言えないのが歯痒い所。恐らく製作されるであろうシーズン2ではもうちょっとポリコレ要素を抑えてほしい。
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