ブタブタ

ミズ・マーベルのブタブタのレビュー・感想・評価

ミズ・マーベル(2022年製作のドラマ)
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普通の女の子がある日謎の妖精ならぬ謎のバングルを手に入れてヒーロー化。
黒沢ともよさんが幼稚園の卒園時に将来の夢として「プリキュアになる」と書いて本当に実現させた様にマーベル映画見て育った子供達がヒーローになる事を夢見て本当にMCU世界へと足を踏み入れる、そういう世界が既に来てると思うと感慨深い。
更にその傍らには「スパイダーマンになれなかった少年(オーディションでトムホランドと最終選考迄競ったらしい)」が寄り添うのは何とも言えない(´-`).。o(🕷)
『スパイダーバース』のグラフィックや二次元三次元が入り交じる演出を実写にフィードバックしてると言うか、映像面でも次のフェイズに入りつつある。
或る意味ラノベ厨二病世界をディズニーが本気で作るとこうなる見本。
イマンさんはこれからキャプテン・マーベルやアベンジャーズ(元メンバー等)ら嘗て自分が映画館で見てた「本物」達との共演が待ってると思うと見てるこっちも嬉し過ぎる。
『ミズ・マーベル』ですが内容はほぼエターナル。
エターナルが無駄にスケールがデカいだけで其れに反比例してやってる事は内輪揉めの非常にスケールの小さい話しだったのに比べてミズ・マーベルは描かれる内容もコンパクトに一見ナキアの身の回りの出来事や世界ってミニマムな事柄を描きつつ実は異次元からの侵略と民族独立戦争など歴史を描いててスケールが大きい。
其れを大上段に構えるのではなくあくまで明るくポップなノリの新ヒーロー誕生譚として描いてるのがいい👊

「ソーがヒマラヤに降りてたらジン(魔神)になってた」
のセリフ、ヒーロー達は人類の歴史に度々介入してて時代や場所によりこの役割や受け取られ方も変化する事を示唆している。
『ジャスティスリーグZSC』のダークサイドと地球の神々・人間連合軍の戦いみたいな「神話」と地続きの世界がアマラの目を通してMCUという最新北米神話の最新エピソードとして描かれる。
マーベル(実写)初のムスリムの主人公って、ポリコレとかいう事よりもマーベル・DC共に当然白人の文化から生まれたもので、キリスト教の一神教宗教が基本世界、で他の宗教ヒンズー教や仏教的多神教宗教の世界を加える事で作品世界が其れこそMCUを構成する要素・世界観にどんどん他の宗教=世界、マルチバースを取り込んで更に広げて行くって意味もあるのでは。
イスラム教は一神教だけどビンラディン(を模したキャラクター及び存在《思えばビンラディンも明らかにモデルのSWローグワンのソウ・ゲレラ等、映画の世界等では既にチェ・ゲバラと同じくポップアイコン的なキャラクターになりつつある》)をフィクションの世界で「悪役」として描く事は日本に於ける「大黒様(西洋に於けるサタン)」と同じく自分達の宗教に取り込む事によりその世界の「キャラクター」となる…等とつらつら書いてますが以上は本作の良いと思った所「設定」「世界観」「やりたい事」であり、それ以外の肝心の「面白いか」と言えば全然面白くないです。
それらがドラマの内容として実現・体現されてるかと言えば全然されてない。
仮面ライダーみたいに1年やるならまだしも六話しかないのに余計な寄り道や主役の活躍以外の説明や回想シーンの時間が多すぎる。
五話の時点で未だ「ミズ・マーベル」のコスチューム着てないし、最終回でようやくコスチューム着て戦いはこれからだオチって最近多過ぎない?
1・2話で見せた脳内世界と現実が混じるグラフィック表現とか、ああいうのをスパイダーバースみたいにもっとバトルシーンとかでもやらないと。
それ以前に何であの敵達と戦わねばならないのか、その辺がすごくフワッとしてて盛り上がらない。
それからスパイダーマンで言う所のフラッシュ等のイケてない主人公の対比的キャラクターとしてゾーイ・ジマー。
原作ではカーンと絡む『ロキ』との繋がりを感じさせる重要キャラだと思ったんだけど活躍しないな~。
最終回で覚醒したりヴィラン化したりしても次シーズンに続くだろうし、オビワンもそうだったけど最後に盛り上がったとしても全体が退屈でつまんなかったら意味無いと思うので。
最終回がまだなので得点なしで。
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