YOK

アーカイブ81のYOKのレビュー・感想・評価

アーカイブ81(2022年製作のドラマ)
3.8
のんびりとゆっくり観た。
「あなたは別世界を信じますか?」


※ゆるゆるネタバレ


古いビデオテープを修正するのが仕事のダン。とある金持ちから住み込みで「1994年に撮影されたビデオテープを数本直してくれ」という依頼を受ける。しかしそのビデオテープを修正し再生したことで自分の父親、このビデオテープを撮影した女性、撮影が行われたビル(マンション)で何があったかなどを知っていき、現在と過去が交差していく……。

ダンの生きる現代と、ビデオを撮影した過去の時代のメロディが修復したビデオテープによって少しづつ関わりを持っていくのが面白くて謎が多くて面白い。依頼した側も何かを隠して依頼をしているので段々とダンが不信感を募らせていくヴィラン的役割を持ってくれている。

ビデオの中の世界(1994年)である過去と、ダンがビデオを修復し謎に迫ろうとしている現在が、最初のうちは全く別世界で描かれている。話が進むにつれてそれが交わり互いに鑑賞していくので、それが良いのか悪いのかもとても気になる展開で良かった。

メロディが間借りしているマンションがどうにもこうにもきな臭い。謎の宗教的な集会が行われていたり交霊会を開いてみたりメロディの友人が洗脳(?)されたりとオカルト的。

そもそもこのマンションには曰くがあって、それを撮影しにメロディ(ドキュメンタリーを撮影している)はやって来たわけだけど、にしてもこのマンションの住民がどいつもこいつもおかしすぎる。いや、おかしくていいんだけどね、みんなカルト集団だから。

メロディはカルト的な思考はないんだけどズブズブと沼地に足を踏み入れしまったかの如く、このカルト集団にハマっていってしまう。好き好んでではなく巻き込まれるって意味で。

そして現代でそのビデオを直して映像を確認するダンも"当時"に飲み込まれてしまう。オカルトとsfと歴史とホラーがちょうどいい塩梅に入り交じっていて意外と見やすい。

ビデオ(画面)越しにダンに話しかけたり脅したりしてくる人物もおり、これはただの過去の映像を見ているだけでなく、もしかしたら別の世界の話なのでは?と思わせるのも上手いやり方。

そもそもこのカルト集団が「別世界にいる悪魔をこちらの世界にウェルカムしよう!」というハチャメチャ理論を持っているため、この作品自体が別世界ってあるんじゃね?って思想で話が進んでいく。ので、ダンも「メロディが別世界の住人なら俺が助けることも出来る!助ける!」みたいな思想になっていく。

終盤に差しかかるにつれてどんどんSFみは増すんだけど、そもそも「悪魔を呼び出すぜ!」「あの世とこの世を繋ぐぜ!」なんてSFっちゃあSFなので全く気にならない。

そんなことよりダンの友人のマックが良い奴すぎて恋に落ちた。メロディメロディと暴走するダンを懸命に支え最後には「お前が残るなら俺も残る!番組のためじゃねえ!」って危険に飛び込んでくれるの、サイコーすぎる。どうかマックが今後も良き友人で長生きしますように。(ちょっと一緒に扉くぐるかと思った、焦った)

正直カエレゴのデザインが宇宙人過ぎて最後まで「なんだったんあの宇宙人」ってなってしまった。第8話のエンドロールで、あっ、あれカエレゴや!って大遅刻で気がついたわ。あのデザインだけはちょっと…許せんかも。

最後の最後でダンがメロディと入れ替わってしまうの、あれもしかしてメロディママ知っててやったならあまりにも大罪。マックにぶん殴られても文句言えないレベル。

ダンを演じるマムドゥ・アチーさん、先日見たアンダーウォーターにも出演していたし、観たいと思って観ていないブラックボックスも出ているし、ムビチケ買って公開を待機中のジュラシックワールド/新たなる支配者にも出演しているので、この調子でどんどん仕事の幅を増やして欲しい。応援してるっ!

シーズン2早く観たいから早く撮影して早く配信してくれ~!頼む~!ってワクワクしてたのに、打ち切りって…ま?私今心の底からNetflixを憎んでしまいそう…辛っ。

こっから面白くなりそうだったのにーー!!!!
YOK

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