LocDog

The Deuce Season 3(原題)のLocDogのネタバレレビュー・内容・結末

The Deuce Season 3(原題)(2019年製作のドラマ)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

日本ではAV業界を描いたドラマとして全裸監督が大ヒットした。
本作もまた同じAV業界を描いた作品としてきっと比べられることになるだろう。

両者の違いを説明するなら、全裸監督は”村西とおる”という人物を主軸にし、当時の空気を語るのに対し、
本作は特定の人物を主軸に置いているわけではなく、
目まぐるしく変わろうとする街を主軸に、
それにうまく順応しようとする人達と、不器用に変われない人達を描いた作品である点だ。

ファイナルシーズンであるseason3では最後に舞台が現代へと変わる。

ニューヨークの42番街、通称”デュース”に住んでいる者たちは、
ポン引きに娼婦、ドラッグディーラー、マフィアと世間からみれば望ましくない連中だった。
そんな彼らの居場所は街の変化とともに駆逐され
一体どこに行ってしまったのだろう。

街はすっかり浄化され、かつてはデュースには近づくなと恐れられた街だったのが一変、観光客が大勢飛び交う通りとなった。

歳を取ったヴィンセントは、甥の結婚式のためにNYに訪れ、ホテルに泊まる。
そして酒を注ぐホテルのバーテンダーに向かってこう言った。

「定量ポアラーを付けて、きっちり30mlだけ注ぐ。
注ぐ量が決まっているなら常連にサービスもできない」と。

彼はそれを批難しているわけではないだろう。
ただ当時はこうだったと語っているだけだ。

自分の居場所がなくなってしまったんだという現実と、
あの頃の街の匂いを思い出しながら、一人、街から去っていく。

多少の犠牲は払わなければいけないが、
払った犠牲には街の個性と、情緒も一緒に消え去ってしまったような
そんな切なさがぐっとこみ上げてくるラストであった。