上海十月

DEUCE/ポルノストリート in NY シーズン 2の上海十月のレビュー・感想・評価

4.5
前作から6年経って世の中は、「スター・ウォーズ」公開の1977年だ。ポルノ業界が大規模になり市民権を得るところを描いている。そしてマフィアの利権争奪そして警察のニューヨーク浄化作戦と様々な人間模様が交錯する作りには、しばしば感心せざる得ない。そして女優陣たちの脱ぎっぷりも気前がよくて、この話がリアルに感じられるのは凄い。マギー・ギンレンホールの売春婦から、のし上がって映画監督になるキャンディーは、ますますかっこよくなってきている。映画製作事務所の壁にトリフォーの「突然炎のごとく」のポスターが貼ってあるのを見て、ポルノを作りながらも、やはり映画を作りたいんだと言う心情がきめ細やかに描いているのは泣かせる。この辺は日活ロマンポルノを作っていた同時代の映画人にも共通する内容かもしれない。その後ビデオの登場により映画製作よりも性に対して徹底的に追求した内容のみしか製作できない時代がやってくる、ことを予言している。本物のエロ事師達しか生き残らない。そしてポルノ映画の凋落がやってくる。
上海十月

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