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二十五、二十一のmのレビュー・感想・評価

二十五、二十一(2022年製作のドラマ)
4.7
傑作の予感。今後も1話見る度に追記していきます。

1話。
90年代臭バリバリのオープニング映像と、その後の現代のコロナ禍を描く冒頭シーンとの温度差にいきなり驚く。
手書きの日記を通じて現代の女の子が自分の母親の青春時代=1998年を体感していく物語。

『今日はあの子に会える』と胸躍らせて走っていく若き日の母親=主人公が憧れる『あの子』はラブストーリーの相手役的イケメンではなく、オリンピックで金メダルを獲ったフェンシング部の女子高生で、彼女とは別の高校のフェンシング部に所属する主人公は『私の夢はあの子のライバルになる事』と言う。素晴らしい現代性。
雨の日に傘を忘れた『あの子』の為に主人公がやる行為がロマンチック。

大人達の社会に起きたIMF危機は子供達の世界にも大打撃を与えて、予算を減らされたフェンシング部は廃部になり主人公は『時代』に突然夢と青春を奪われる。コロナ禍で多くの子供達に似たような事態が起きている事に着眼し、90年代をノスタルジーではなく現代に通じる問題と痛みの時代として重ね合わせて描いていく所に韓国エンタメ界の(日本とは違う)成熟がある。

コン・ユ系の爽やかイケメンの境遇の設定も、時代の苦しさが反映されていて良い。

パッツン前髪でドタバタと駆け回る主人公を「お嬢さん」主演のキム・テリが活き活きと快演。コメディ演技もお手のもので流石。この人が出てると明確に作品が引っ張られていく。ちなみに普通に女子高生にしか見えないですがキムさん現在31歳。役者は凄い


撮影のレベルも高いけど、ちょいちょい広角レンズの画でケッてる時があるのは気になる。


観ている内に、あっこれたぶん実はこういう事なのでは・・?もしそうだとしたら激エモ・・とふと思い至ったのだけど(そしてTwitterでネタバレを踏んだ気がするけど)、一旦忘れます。


1998年が22年前であるという事実に震える。お、おぅ・・・

2話。
『名前も知らないのに?』『ナ・ヒドよ。・・あなたに言ってなかった』のやりとりはもはや恋の始まりのよう。主題歌も流れるし。靴を気にする描写の繊細さも光る。
三枚目ポジションの『7組のイケメン』に学級委員と新キャラが続々登場。メインキャラ5人の人間関係が判明、世界狭いな!と思いつつも、いやいやそれが良いんだよ!という気持ちもある。

コ・ユリムの人物像の様々な面を見せる回。人物像に深みが出てきた。フェンシングの試合シーンもガチ。

そして今回もIMF危機によって失われた青春の物語だった。
キラキラした青春ものなだけではなく、彼の人生につきまとう苦い社会性のヘビーさから逃げない所が流石韓国エンタメ。俳優陣、特に主演2人とあの叫ぶおじさんの演技に目を奪われる。

『こっそりと幸せになろう』という所、とても素敵。
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