予備知識を全く入れずに観たので、1話目でベネ演じるパトリックがドラッグでトリップして大変なことになってる様子に、ああ、こーゆー感じで薬物依存からだんだん回復するまでの話なのかな?って思ってたら、2話目では幼少時代、3話目以降では結婚し子どもを持ってと、時代をまたいで話が進む展開に。
ドラッグ問題じゃなく、その前の子ども時代からのもっと根深い問題からの物語だと気づいた。幼い頃に受けた心の傷はいくつになっても、どこまでもその人を蝕んで破滅させてしまう。パトリックが何度か耐えきれなくなって感情を爆発させるシーンが印象深かったです。
かなり重い内容の割に色使いが鮮やかでポップだったりするけど、英国上流階級の腐りきった異様な環境には反吐が出そうになったし、ヒューゴ・ウィーヴィング演じるパトリックの父親がとにかく恐ろしくて「プリシラ」の時の陽気なヒューゴを思い出して何とかバランスを取りながら観ました。共演者からも「演技がうますぎて本当に嫌な男に思えた」なんて言われてたくらい説得力ある演技だったみたい。
ベネの演技もちょっとコミカルなシーンから重いシーンまで幅広くて、とりわけ1話目のほぼずっとトリップしてる時の演技が凄かった。多重人格のようなものまね一人芝居や遺灰と格闘するシーンなど、破滅的だけど笑えるシーンもあったりして、1話目は確かにブラックコメディ。パトリックがホテルやレストランで次から次へと金をばらまいて行くのも面白かった。反して、友人に過去を打ち明けるシリアスなシーンなど、深みのある演技も胸に響きました。