今のような時代に伊藤野枝をドラマにすること、今のような時代だからこそ、と言えるか、どうか、
野枝本人がアナーキストだしかなり尖っているだけに「今のような時代」(尖ったものや批判的精神のあるものを避けたがる)らしくなんとかまろやかに共感できるドラマにしたかったのか、忖度か、なんだか分からないが、私には金子文子の手記などを読んでいるので、彼女の味わった屈辱や凄惨な最後(子供も殺したことは出してなかった)を、さらりと描写したあたり、なんか「逃げた」印象だった。
原作が村山由佳なせいもあるが、彼女の自由や独立心を描くのに、恋愛に寄らない作り方をしても良かったのでは。
まあそんなことを言っていると3話では描けないのもわかる。
と言いつつ、今のような時代だからこそ、伊藤野枝のような女性がいたことそのものを知る一つのきっかけになれば、と思うし、ドラマにしたNHKには、これのもっと尖ったバージョンを地上波で流すくらいの頑張りを見せてほしい。最近は「作りたい女」や「大奥」でジェンダーにまつわるドラマを頑張ってくれているので。
というか、めちゃくちゃ豪華俳優で、めちゃくちゃスタイリッシュに、伊藤野枝や金子文子のドラマが見たい。ネトフリとかなら作れるのかな。
