マッチョデーモン

タイタンズ <シーズン1>のマッチョデーモンのレビュー・感想・評価

タイタンズ <シーズン1>(2018年製作のドラマ)
3.7
評価の浮き沈みが激しかったが最終的にはなかなか良かった。今やアメコミヒーローの様式全てが幼稚な御都合主義としか見えなくなっているのでコスプレしてコスプレをぶっ飛ばす話を取らない本作は今の自分にも通じるものがある。

姿こそ見せないが有名なヒーローが存在する世界でありながらヒーローは否定的に描かれている。象徴がバットマン。孤児となったディックを幸せにする大富豪ブルース・ウェインを期待されていたはずなのに、彼がディックにやった事はバカげたコスチュームを着せて抑えようのない暴力性を植え付けただけ。嫌気がさしたディックに出て行かれたらすぐに次のロビン ジェイソン・トッドを用意する。彼も異常に暴力的で原作コミックやifの世界で辿る運命を思えばバットマンを正義の味方だなんて言えはしない。悪影響はロビン以外にも及んでいて退学になって持て余したパワーと鬱憤を犯罪者にぶつけてたハンクとドニー兄弟やその恋人ドーン(この女のコスチュームがリアリティのある世界観でやられるとアホにしか見えない)を見るに害悪でしかない。ブルースは自分すら救えていない。ヒーローを肯定する一般人を全く描いていないのが徹底している。アベンジャーズだかジャスティスリーグだか知らんが自惚れるなヒーロー。お前らが市民の中に存在する余地はないと言っているかのよう。

今の自分が抱くアメコミヒーローへの嫌悪感は「どうせお前らヒーロー様は殴り倒すための使い回しヴィランがいなきゃ存在できないんだろ?実にアメリカらしい奴らだよな。」というものであるがその点を上手くフォローされている。各人が自分の中にいる別の自分と戦わされている。ディックに対する暴力的な人格ロビン、コリーに対する暗殺者スターファイアー、ガーの内なる獣ビーストボーイ、レイチェルに潜む魔女レイブンというように基のタイタンズを知ってるなら納得の行く構成でヒーローキャラクターが比喩となる。陽気なアニメが有名なタイタンズでこれをやったのは偉い。今の自分ですらアニメのティーンタイタンズは結構好きなくらいなので熱狂的なファンなら冒涜とブチ切れてもおかしくないがコミックファンには媚びない。

気にかかったのはあまりに画面が暗すぎて第1話などレイチェルの青い髪にすらなかなか気付けなかった事。キャラクターの陰を表しているのは分かるがそれにしたって見えないレベルで暗い画ばかり何時間も見せられるのは精神衛生上良くない。ガーとマンガチックな外見そのままに出てきたドゥームパトロールの回がなければギブアップしていたと思う。彼らもティム・バートンの映画に出てくるような日陰者的存在であって喝采を浴びる正義のヒーローじゃないんだよね。コスチュームヒーローの話にしないで3シーズンくらいで完結できるならきっと気にいるけれどアメコミとアメドラという二大エンドレスコンテンツのタッグなので望みは薄い。最後のアレがコミックヒーローとしての物語を拡張する気満々に感じられて。