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モテキのkasmiのレビュー・感想・評価

モテキ(2010年製作のドラマ)
3.5
ロックバンドによくある、童貞っぽさ、青臭さの正体ってこの感情だったんだ。どうりで、私が感情移入できないわけだ。

音楽、それも劇伴じゃなくてポップスの使い方がいい。人は、歌詞と自分の境遇やら思い出やらを重ね合わせて、音楽と人生を共鳴させ、音楽を愛す。その構造をドラマにそのまま持ち込んでいたのが画期的。
特に大好きなのは満島ひかりが神聖かまってちゃんの「ロックンロールは鳴り止まないっ」をカラオケで熱唱してるところ。
恋愛とか関係なくて、燻った俺たちだけが知ってる最高の音楽のことや映画のこと、たとえどんなにあいつらに引かれようと、見せつけてやればいい、
それって恋愛の成就以外の唯一の選択肢だと思っていて、私は成仏と呼んでいる。

案外このドラマの関係性の中には、男女のいろいろが詰まっている。
フラートだったり、知り合いでも彼女でもない立場としての「友達」だったり、友達の名前を借りた下心だったり。

最後は、「モテる」って発想自体が受け身なのでは?ってことに主人公が気づいて、もっと踏み込んで、向き合って、晒して生きていかなきゃって決意する。
そうするべきなのにそうする理由がないからこそ、人はこういうメッセージを含んだ物語をたくさん生み出すんだろうう。
人がわざわざリスクを負ってまで勇気をもって他人に踏み込んでいく原動力なんて、いつだって恋愛ばかりだった。
女は誘い待ちしてたって相手ができたりするからいいけど、それができない男は、性欲なんて存在しないふりをして生きてくしかないんだもんなー。
だからこそ、処女は実態以上に崇め奉られるのに対して童貞は蔑称にすらなるんだろうし。

あえて「漫画っぽさ」を残した演出がコメディによく合ってて良かった。