2021年3月6日
第一話鑑賞 DVDにて
簡単なメモを残す。原作の『自由死刑』は読んでいないため、原作のせいなのか脚本のせいなのかよく分からないが、全体的にセリフが説明臭かった。極力、物語の進行に必要なことをセリフにしている印象があった。
カウンセラー役で出てくる岩松了がカラマーゾフを持っていたが、島田の作品故なのか。
幼いころに観た印象で、小日向文世の演技に期待して観ていたのだが、終盤までは格別のものとも思われず。むしろ、若かりし頃の松田龍平の精悍な男っぷりと、胡散臭いながらも老獪な生瀬勝久が好ましい。と思いきや、ネガティブ善男は素晴らしい。『ステキな金縛り』での、不気味さのあまりこちらの鳥肌を立たせるような佇まいの段田譲治のことも思い出しながら、きっと小日向文世はその柔和な顔つきからは想像できない、極端な感情を発露する時の演技をもっとも得意としているのだろうと思い至った。
ところで、ネガティヴ善男は二重身なのだろうか。河合隼雄の著作の中で、ドッペルゲンガーにも二種類あると書かれていたのだが、さてネガティブ善男はどちらなのか。