なお

悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~のなおのレビュー・感想・評価

4.2
"田中麻理鈴、本名です"

高橋文哉クンと今田美桜ちゃん目当てで視聴開始。

主人公は美桜ちゃん演じる田中麻理鈴。
名前の由来が「祖父がマリリン・モンローのファンだったから」という彼女は、日本を代表する一流企業・<株式会社オウミ>へと入社を果たす。

しかし麻理鈴はいわゆる「ポンコツ」であり、かつ配属された部署はこれまたいわゆる「窓際部署」の備品管理課。
底抜けの明るさだけが武器の彼女は、仕事はできないが絶対にめげない。

型破りすぎる新入社員が巻き起こすドタバタコメディ系お仕事ドラマ。

ちなみに、本作の原作『悪女(わる)』は1992年にも石田ひかり主演でドラマ化されており、本作にも同氏が出演している。

✏️できない・でもめげない
まず何より、
「今田美桜ちゃんってこんな”アホの子”な演技もできるんだ…!!」
と大変に驚かされた作品。

今まで自分が見てきた作品に出演してきた彼女はどちらかというと、「若手だけどエリート」のような役どころが多いイメージだったが、本作の麻理鈴のキャラクターは完全に真逆。

かつ、彼女のトレードマークとも言えるロングヘアをバッサリカット。
麻理鈴の先輩社員だが犬猿の仲でもある小野忠(鈴木伸之)に「おかっぱ」と渾名されるほどの短い髪になっている。
(あれは地毛なのかウィッグなのか…)

美桜ちゃん以外のキャストも地味に豪華、かつバラエティに富んだメンツであり、若手から中堅~ベテラン俳優まで、本作に華を添えてくれる存在が目白押し。

✏️日本企業
作品内容の評価に話を移す。

前述の株式会社オウミはいわゆる一流企業であり、
「グローバル化」
「女性の活躍推進」
「SDG's」
など口当たりのいい美辞麗句を掲げてはいるが、実態は名ばかり。

暗に女性社員を軽んじたり下に見ている男たち、会社以外の場所で根回しされてしまう重要事項…
「大企業病」とも言える体質のオウミを、型破りな新入社員・麻理鈴が徐々に、かつ大胆に改革していく様は痛快。

広大なオウミの社内を、まるで犬がかけ回るように縦横無尽に動きまくる麻理鈴と、それを諫める峰岸雪(江口のりこ)のかけ合いを見ているだけでも楽しい。

特に「男女の格差」について制作側は描きたかったのだろうか、ほぼ全編に渡って同テーマにスポットが当てられている印象。
若干大げさかつ声高に聞こえるセリフや演出がないではないので、このへんは好き嫌いが分かれそうなところ。

そのほか、「社内政治」や「働きがい」、本作のもう一つのテーマでもある「社内恋愛」に関するエピソードなど、民間企業で働いた経験のある方なら一度は麻理鈴やそれ以外の登場人物に同情してしまうこと請け合い。

☑️まとめ
もともとの期待値がそこまで高くなかったおかげか、ドタバタコメディとして予想以上に楽しむことができた作品。

美桜ちゃんの新しい演技の幅も見ることができたし、文哉クンの出番も想像していた数倍多かったのも満足。

また意外なことに、美桜ちゃんは本作が初主演のドラマだったらしい。
もっとこれから色々な作品に出てほしい。
なお

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