【 惑わされるけど、余韻が残るドラマ 】
2023年WOWOW TVドラマ。
前田敦子が一人二役。
彼女は黒沢清の映画に何度も出演していて "女優になっていなかったら、日本の映画界の大損失だった" と黒沢自身が言っているのが納得できる雰囲気がある。AKB時代を経て、現在の位置にいるのは凄いなと。
役柄としては
(藤乃朱) 前田敦子:
琥珀市の雑居ビルから飛び降りた死体として発見される。残された携帯電話に"三木桜" と作家・溝呂木舜の連絡先のみだった。
(三木桜)前田敦子:
藤乃朱の双子の妹と名乗る女。警察にも怪しまれ、作家・溝呂木舜に接近し誘惑する。
このふたつのキャラクターに大きく関わるのが作家:溝呂木舜を演じた北村有起哉。凄く役にあってるし、彼を慕う姪を演じた平祐奈もしかり。
映像の質感もいいし、ロケ地が全編地方都市の蒲郡市や幸田町などを使っていて、リアルで独特な空気感が漂って良かった。
それにしても、前田敦子演じるふたりのキャラクターには謎も多いし、結末も曖昧。でもって耽美的な世界観に終始惑わされる。嫌いではない作品。