くるみ

この世界の片隅にのくるみのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2018年製作のドラマ)
4.7
去年の今頃どハマりしていたドラマ。
実を言うと見始める前は主役の松本穂香さんの顔立ちがちょっと苦手で、何故この子が抜擢されたんだろうって不満だったのだけど、見始めたら何の違和感もなかった。
本当にすずさんそのもので、素晴らしかった。
透明感があるというか、すごく瞳に力のある女優さんだと思う。
松坂桃李くんの包み込むような温かさ、尾野真千子さんのひねくれた優しさ、二階堂ふみさんの儚い妖艶さ…どれをとっても存在感があって、一方の街並みや小道具など物語の土台となる部分もひとつひとつが丁寧に力を入れて作られていることがよくわかった。
個人的には伊藤沙莉ちゃんがお気に入り。
彼女が出てくるとクスッとして心が和んだ。


戦争モノの作品はなるべく観るようにしている。
戦争を体験していない者のせめてもの義務というか、平和のありがたさを再確認するためにも大切なことだと思っている。
辛くてつい目を背けたくなることもあるけれど、この作品は大変な時代の中でも周りの人々と助け合いながら日々を大切に紡いでいく主人公たちの平凡で愛しい日常が描かれていてとてもよかった。
意味もなく意地悪な人が出てこないところもいい。
ただ、原作には無いという(榮倉奈々さんが登場する)現代シーンだけが完全に蛇足。
過去シーンから切り替わるたびにガッカリしてしまった。
広島に特に何の縁も無い女性が、すずさんたちが必死に生きた家を改造してカフェにするとか…あまりにも考えが乏しい気がする。
そこだけがちょっと残念だったので−0.3。
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