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今日から俺は!!のtetsuのレビュー・感想・評価

今日から俺は!!(2018年製作のドラマ)
3.6
劇場版が予想以上にヒットしていたため、気になり、1ヶ月かけて、TVerで視聴。


[あらすじ]

転校を機にツッパリデビューを果たした高校生・三橋と伊藤。
偶然の出会いで意気投合し、最強のヤンキーコンビとして恐れられるようになった彼らは、様々なヤンキーたちと戦いを始め……。


[感想]

映画館の再開直後、劇場では本ドラマの映画版予告が、ひたすら流れ続け、若干の嫌気が差していたものの、「観ずに毛嫌いしない」ことをモットーにしているため、TVerで一挙に予習。

そもそも、近年の異常なまでのドラマ映画ブームは嫌いではなく、むしろ、好きなタイプだったりする。笑

すでに数話をかけて、描かれたキャラクターたちを活躍させることが出来るという点では、マーベルやDC映画におけるヒーロー大集合映画と構造は同じな訳で、予習さえしていれば、おおかたの場合は、楽しめるからである。笑
(逆に、単作としての評価が批判される弱点もあるが……。)

と、どうでもいい前置きはさておき、本作が、この時代に「ツッパリ」を題材にし、福田雄一脚本×若手俳優陣てんこ盛りのコメディ作品を作ったという時点で、映画のヒットは確定していたような気がする。

『妖怪ウォッチ』のヒットとも同様、分かりやすいコメディ作品であり、親世代が分かる小ネタを随所に入れることで、親も子供も楽しめ、さらには、それによって、家族の会話が盛り上がる。
(間違いなく、子供に聞かれて、ツッパリ時代の経験を自慢している父親がいるはず。笑)

それだけで、お茶の間向けの作品としては完成されており、全年齢が入り込みやすい作品になっていたのは、すごいと思った。

相変わらず、雑なアドリブが多い福田監督流のお笑い演出には、好き嫌いが別れることは間違いないものの、キャストのファンで、それが大丈夫であれば、かなり楽しめる作品だと思った。


[各話雑感]

1話
〈ゲスト:小栗旬、波岡一喜〉
タイトルの意味が分かる、原点とも言えるエピソード。元々は普通の高校生という設定があるだけで、かなり親近感が湧く辺りは、原作のすごいところだと思った。
また、『銀魂』の繋がりで登場した小栗旬さんが、思いっきり『クローズ』イジリをしている辺りは、吹っ切れていて、とても良い。
クライマックスで清野菜名さんのかっこ良さに目を奪われていると、安定の佐藤二朗さんが投入され、全てがぶっ壊される。福田さんのこういうノリは、マジで反省してほしい。

2話
〈ゲスト:阿部亮平〉
清野菜名のかっこ良さに惚れる回。『素敵な選TAXI』での、「バカっぽく見えて、実はめちゃめちゃ強い元ヤンキャラ」も良かったけれど、「清楚系で強い風紀委員」という今回のキャラクターは至高。マジでキャスティングした人は天才だと思う。
が、しかし、佐藤二朗さんとムロツヨシさんによるアドリブ選手権は、演出が安直すぎるので、本当にやめてほしい。(といいつつ、若干、笑ってしまった。)

3話
〈ゲスト:柳楽優弥〉
ゲストキャラの思わぬ設定に、福田作品特有の"内輪ネタ"も極めれば、ユニバースが形成されてしまうのだなぁ~という衝撃。というか、柳楽さん、同じシリーズに別キャラで出るとかありかよ。(映画版では、悪役のボスとして登場。)

4話
〈ゲスト:戸塚純貴、橋本じゅん〉
シンプルに太賀演じる、今井が可愛そうな回。しかも、この後の回も、そこそこ可愛そうな目に遭っていくので、マジで報われなくて泣ける。

5話
〈ゲスト:中村倫也、島崎遥香〉
主人公たちが、中村倫也さん演じるエリート高校生と戦う回。若干、マンネリ化しつつあった「ケンカで決着する物語」を、「知的な作戦で勝利する物語」に重点を置いたところに、テンションが上がった。シリーズの中では、かなり好きな回。

6話
〈ゲスト:勝矢、高橋克実、山田孝之、手島優〉
モブキャラだった先生にヤクザの仲間がつくことで、突然の大活躍を見せる回。ゲストキャラの個性が強すぎて、正直、レギュラーになってほしかったレベルではある。

7話
〈ゲスト:池谷のぶえ〉
今井にハメられた三橋が、えげつない仕返しをする話。完全なるネタ回でシリーズ史上、一番イマイチだった印象。やっぱり、今井が可愛そう。

8話
〈ゲスト:須賀健太、浜辺美波〉
最初から最後まで、早乙女太一だとおもっていた敵役が、 まさかの須賀健太だったという驚き。あの『釣りキチ三平』の?『花田少年史』の?!(代表作の例が、ことごとくマイナーw)
完全なるネタ要員の浜辺美波と、暴言を吐く清野菜名が、個人的には最大の見所。

9話
〈ゲスト:やべきょうすけ〉
元々のゲストは、新井浩文さんだったものの、芸能界から追放されてしまったため、やべきょうすけさんに変更されたとのこと。
学校に乗り込むクライマックスや、校舎での喧嘩シーンも相まって、クローズみが増す結果に……。笑
ここにきて、やっと、ヤンキーアクションものとして、完成したきた感がある。

最終話
〈ゲスト:堤真一、山﨑賢人〉
完全に、その存在を忘れていたラスボス・城田優さんとの戦いを描いた回。
初回に一瞬だけ出てきたものの、全く再登場の気配がなく、もはや機能しているのかよく分からなかった伏線が、ついに回収されるという奇跡。
機転の利いたクライマックスの決着が楽しく、『狂武蔵』並みに、チョイ役の山崎賢人には笑う。
全力のアドリブも含め、ここにきて、やっとコメディセンスが磨かれた印象。
シリーズを通して、反復してきたOPを見事に活かしたエンディングが、最高にアツかった。
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