mimitakoyaki

HEARTSTOPPER ハートストッパーのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

HEARTSTOPPER ハートストッパー(2022年製作のドラマ)
5.0
わーーーーー、めっちゃ良いーーー!!
韓ドラ沼にズブズブにはまってしまってるわたしですが、珍しく見たイギリスのこのドラマも最っ高でした!
わたしの大好きな「セックスエデュケーション」と同じくイギリスの高校を舞台にした青春ドラマなんですが、もう主人公のチャーリーとニックも、チャーリーのオタク仲間も身悶えするくらい可愛い‼︎

「セックスエデュケーション」は最高なんですけど、出てくる高校生がとにかく個性が強すぎて、まるで日本とは別世界のことのように思えるところがあります。
でも本作に出てくる子たちは、ほんとに高校生らしくて、リアリティがあって、なんだか近く感じられます。
みんな良い子で可愛くって、愛さずにはおれません。

チャーリーは幼い頃からゲイである自覚があったのに対し、完全にストレートだと思ってたニックは、まさか自分が男の子に恋するなんて思ってもみなくて、自分のセクシャリティがわからなくて混乱して、戸惑います。
そんなニックの混乱を受け止め、ニックが自分に傷付いたり誰かに傷付けられたりしないように気遣い尊重するチャーリーがいじらしいし、チャーリーの寄り添いに支えられて、戸惑いながらも自分を受け入れていくニックも愛おしくて、ふたりの関係が優しさと愛に溢れてて素敵なんです。
思春期の少年の恋と衝動は、見ていてドキドキが止まりません。

初めて本気の恋をして、その子といると本当の自分になれて、すごく安心できて癒されて勇気が湧いてきてハッピーになれる。
そんな恋することの素晴らしさがすごく伝わってきて、めちゃくちゃ感動してしまいました。
10代でこんなに好きと思える子に出会えて、2人でつらいことも乗り越えて成長もして、その尊さったらないです。

それにチャーリーの親友のエルとタオもとにかく可愛い!
集まって家で見てる映画のチョイスもめちゃ良いし、仲間外れにされてる者同士っていう事もあってか仲間意識が強くて、お互いをすごく大切に思って、友達が傷つかないか心配したり守ろうとしたりするのも、ほんとに優しくって。
あんなにいつも一緒だったチャーリーが、ニックに夢中になって距離ができてしまって寂しい思いをするタオとか、どんなけチャーリーが好きやねん♡と思って可愛くて仕方なかったです。

また、チャーリーやニックの家族も、少ししか登場しないんですが、彼らのありのままを受け止めてくれる存在で、愛されてるのを感じ、思わず泣いてしまいました。
オリビア・コールマンの凄さをあらためて感じました。
めちゃくちゃ心に残る感動的ななシーンだった。
美術の先生も良かったな。
周りの大人がみんな良い人で、それも安心して見れました。

イギリスの高校で制服っていうのもちょっと新鮮に感じたし、ニックが居心地の悪さを感じながらも友達と馴れ合って、周りの雰囲気に流されるとか同調圧力とかで、自分を抑えて発揮できない感じなんか、イギリスでもそうなんだな、日本と同じなんだなと思いました。
また、日本よりも性に対してオープンで進んでるイギリスでも、やっぱりゲイの子が虐められたりからかいの対象になって、まだまだ同性愛嫌悪や偏見もあるんだなと思いました。

わたしは普段は韓国ドラマばっかり必死で見てるんですけど、こないだ見た高校生の恋や葛藤を描いた「十八の瞬間」でも、恋愛のシーンでは、告白やキスまでがまあ長いんですよ。
付き合うようになってからもせいぜい手をつなぐくらいでしたが、こっちはイギリスのドラマですからね、キスまで早い!
キス何回もするやん!と韓国とイギリスの違いをまざまざと見せつけられましたね。
そんなお国柄の違いの発見も楽しかったです。

高校生の子たちの優しさや純粋さに心打たれる、ほんとに素敵な青春ドラマの傑作に出会えて嬉しかったです。
たくさんの人に見て欲しい作品でした。

26

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2回目: 2022.5.11

見終わってすぐ2回目いっちゃいました。
普段は吹き替え版を見ることはないんですが、初めて日本語吹き替えにしてみたら、それはそれですごく良くて、登場人物の雰囲気を壊さずに自然な感じで見れたし、吹き替え+字幕付きで見ると、字幕ってやっぱりかなり省略されてるんだとわかりました。
吹き替えの方がやはり情報量が多いし、良い面もあるんだなと思いました。

セクシャルマイノリティの子たちが周りに当たり前に存在して、その子達にとって辛いこともあるけど、理解してくれる人、分け隔てなく接する人、大切に思ってくれる人が周りにいて、同性愛の子や先生、トランスジェンダーの子との連帯もあるし、とにかくポジティブに明るく描かれてるのが、この作品の大きな魅力だと思います。

セクシャリティが少数派でも、楽しいことや喜び、幸せがいっぱいあるんだって、きっと当事者の人に寄り添い勇気づけるパワーがこの作品にはあるんじゃないかと思います。

チャーリーもすごく良い子なんだけど、ニックの誠実さが感動的で、良いシーンがたくさんありました。
イモジンと話すために公園で会った時も、愛犬を亡くしたイモジンの事を思って自分の犬を連れてきてたり、ただデートを断った事を謝ったり釈明するだけじゃなく、自分らしくいられる居場所や友達関係を模索してる自分の心の内を話したり、相手を傷付けないように気遣いながらも、ちゃんと自分の思いを伝えようとするニックがとても素敵でした。

それに、いつもウザく絡んでくるだけじゃなくて、ゲイだとからかってチャーリーを傷付けるハリーに本気で怒って、そういう差別をする人間に対してきっぱりと抗議する態度もすごくかっこ良かったです。

自分を大切にし、相手のことを思いやり尊重するということの美しさを、チャーリーやニックだけでなく、周りの友達からも感じられて、だからずっと温かい気持ちになれました。

あと、高校生達が、それぞれ個性的ではあるんだけど、自分達と遠くかけ離れた感じではなく、親近感を感じられたところもすごく良かったんです。
例えば、洋モノの作品でパーティというと、よくドラッグとか出てくるけど、そんなのも全然ないし、ラグビー発祥のイギリスなのに、ラグビーに興味なくてルールも知らない人がたくさんいるとか、ボウリングがヘタクソとか、ケンカも殴り方がヘタな感じとか、そういうの見てると、何も特別じゃない普通の高校生って感じがして、人物がステレオタイプな描き方じゃやかったのもとても良かったです。

時々挿し込まれるイラストレーションがポップで可愛いし、音楽も良いし、あちこちに意識的に配置されてるレインボーカラーが、ハッピーな雰囲気を醸し出してたりして、映像もすごくキレイなんですよね。
原作のコミックもすごく読んでみたくなりました。
ほんとに全方位で素晴らしいドラマでした!

27

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3回目: 2023.8.4

待ちに待ったシーズン2がついに配信!
その前にシーズン1をおさらいするために見返しました。
普段1話70〜80分の韓国ドラマを見慣れてるわたしには、1話30分の8話なんか、ほんとに一瞬で見れるので、おさらいも楽チンでした。

3回目ですが、何回見てもやっぱりめちゃくちゃイイ!
ニックとリチャードが何度も交わす"Hi"が好きすぎる!
互いへの愛おしさがあの"Hi"に滲み出てるんですよね。
なんて尊いんだろう。

先日、あるアーティストがファンにゲイである事をカミングアウトしたっていうニュースを見て、LGBTQ当事者の葛藤や孤独や苦悩の大きさをあらためて感じたのですが、そのニュースに対して、「他人の性的指向なんか聞きたくない」などの批判コメントもちらほら見かけました。

だけど、この作品をあらためて見ると、LGBTQ当事者にとって、同じ立場の人がいるって事がどれだけ励まされ、勇気をもらい、支えられるのかというのをすごく感じたんです。
そして、周りからの何気ない一言に、返答に困り、誤魔化したり、嘘を言わざるを得なかったり、傷ついたりすることが日常の中にいっぱいあって、その度に心が削られるんだと思います。
カミングアウトするかどうかは、もちろんその人の考えによりますが、そうすることで自分が自分のままでいられて解放されたり、自分自身を受け入れたり、一人じゃないよ、あなただけじゃないよ、と誰かを励ます事にもなり得て、だからその事を誰かにとやかく言われる筋合いはないし、言うべきじゃないってすごく思いました。

あと差別するやつがちゃんとクズに描かれてるし、ニックやタオがちゃんと差別クズに怒るのもとても良かったです。
相手の気持ちを大事にしながらも、ちゃんと自分の気持ちを伝えようとするのがほんとに素敵で、優しい世界にとても癒されました。

シーズン2も早く観たい!
楽しみすぎます♡

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追記

今日、このドラマが大好きっていう話から、ごく身近な人が、同性愛者だと打ち明けてくれました。
これまでもきっと周りにいたんだろうけど、カミングアウトされたのが初めてだったので、わたしを信用して勇気出して話してくれたんだと思うと、話してくれてありがとうという気持ちでいっぱいになりました。
このドラマがきっかけっていうのがなんだかすごく素敵♡

2023.12.8
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