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ウイニング・タイム -レイカーズ帝国の誕生-のBlueのレビュー・感想・評価

4.3
とても楽しかった🙌🙌

NBAで最も有名なチーム、LAレイカーズの伝説の1ページ目を描いた作品。

冒頭からNBAにもこんな歴史があったのかという驚きもあった。誠実さのかけらもない人間達が成り上がるためにあれもこれも利用できるものは利用しつつ、のしあがっていくような、ハンバーガーとステーキを足したようなドラマです。

今のNBAはコロナ対策を含めてビジネスの面でも人種差別にまつわる倫理観にしてもスポーツ業界の先端を走っている。あのマイケルジョーダンの黄金期やコビーブライアントの不動のレジェンドが活躍した時代以上に、人気を獲得してるのだから。
それもこれもこんな欲望にまみれた時代があって、その事を反省してるからでしょうw。

まーちょっとセルティックやラリーバードに対してちょっと極端な演出が鼻についたかな。確かにあのアイルランド系の内輪な感じはわかるのだけど。
こうやってレイカーズはNBAのトップチームになったのかと思うと本当に面白かったです。

このドラマ見ながら日本のドラマとの描き方の違いが興味深いというか。日本のドラマはほとんどの主人公がマジメな人物で諦めずに頑張り、周囲の人間がそれに感化されて、夢を諦めるなを連呼するパターンで、アメリカのドラマはハナからそんなマジメなヤツなんていないし、このドラマなんてむしろ冒頭の15分で欲望にまみれたシーンを見せてそれで視聴者を惹き込み、全く価値観も何もかも違うが勝利の一点だけは同じだと一丸となって戦うっていうパターンが特徴的というか。

大泉洋主演のラグビードラマを1話だけ見て苦手だと感じたけど、正しさの押しつけがすぎるというか、料理で言うなら精進料理で健康的だけど、そこをドラマに求めてないんでっていうのが感想としてありました。あとラグビーが主人公ではないのだろうなというのも、ちょっとなと感じました。
でもこのドラマはバスケをしっかり見せてくれる。
最も印象になってるのは家畜小屋で生まれた男の展開。薬物に明け暮れトイレにうずくまる彼をどうしようもないというのは簡単だが、果たして彼だけのせいなのか。あそこからの展開は感動しました。

友達の家で学校をサボってドリームチームがオリンピックで活躍してるのを夢中で見ていたのは良い思い出です。マジックもラリーもいてノールックパスをバンバンやってそれをジョーダンやバークレーが決めるというのは本当にアツかった。

このドラマを見てマジックジョンソンのプレーを見れたのがどれだけ貴重だったか、あらためて感じました。

本屋に行くとカリスマや社長がいかに金を稼ぐかという事が人生で重要と言わんばかりの本が並んでいるけど、そういう時代を見越してこのドラマも製作されたのかな。一定数、ああいうレイカーズのオーナーに憧れる人はいるんだろうか。

シーズン2があるなら楽しみですね。HBOは同時期にthe offerというドラマも制作してます。ゴッドファーザーの制作過程を描いたもので、ゴッドファーザーを知らない人でも楽しめる作品です。

このドラマと同じように懲りない面々が懲りない事をやりつつ、映画上映にこぎつけるというストーリーですが、このドラマが好きな人はきっと楽しめると思います。ぜひ。
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